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[田代裕彦] セカイのスキマ 3

学校が主催する部活動によるボランティア活動に「四つ辻の会」も参加することとなり、哲たちは、夏休みを利用して、伊豆の山林に一週間ほど泊り込むことになった。現地からもお手伝いさんが来ており、同学年である美杉は、何かと手を貸してくれたが、「四つ辻の会」の活動を知った彼は、自分の母親が神隠しにあったことを話し始め……

神隠しとはよく聞くものの、分類などはあまり意識していなかったので、とても興味深く読んでしまいました。思わず引き込まれますね。今まであまり語られていなかった宮守みこの過去の話などもあって、それが神隠し話と絡んでくるあたり、うまいなあ。

それはともかくとして、部員全員美少女だったりする「四つ辻の会」の面子と海に言ったのに、何ひとつ感じない哲の何と朴念仁なことか!お約束なことが、華麗にスルーされたら、そりゃ悠美先生も怒りますよ。僕だって怒りたい。べ、別に羨ましいとかじゃないけど。
こういった人に対する興味の無さが、重要なところで使われてくるあたり恐ろしいですね。

怪異をミステリーとして謎解きするところは、相変わらず強引でありながら秀逸です。怪異とは人の行動を覆い隠したものだなあと感じさせてくれますね。こういった人の悪意を冷静に感じられるのは、やはり人との交流に興味が無いところからきてるんじゃないかと思いました。

同じく他人に関心があまりないみこが、唯一関心を持っている相手が、哲だってことがわかる肝だめしは、たまらない気持ちになります。今まで恋愛要素が少なく思えただけに、うふふと思いましたが、その後も、花火のシーンとか見てると、ああいいなと思えましたね。
これでふたりが……と思っていただけに、妖怪退治の決断は、心痛むものがありました。いや、それ以上に痛んだのがラストですけど。

己の行動を省みて、己の立場を認めてしまうところは、残酷なものを感じましたが、決してそれだけじゃないんだろうなと思うのは、今までの二人を見ていたからでしょうか。
理屈と感情は違うということが分かっているならば、きっと彼女を……と思いたいな。

とりあえず、今作で一区切りらしいですが、この終わり方で結末を迎えてしまうのは、ちょっと悲しいものがあるので、ぜひぜひ続編をお願いしたいところです。

セカイのスキマ 3 (3) - 田代 裕彦

セカイのスキマ 3 (3)
田代 裕彦

富士見書房(文庫)
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