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[厚木隼] 僕たちのパラドクス ―Acacia2279―

タイムマシンが実用され、タイムパラドクスを引き起こすような犯罪者を処分するため、特A級の時空監査員であるハルナ・キリシマは、未来から2006年の日本を訪れた。だが、目的を達成したのに、どうにも戻ることができない。考えられることはただひとつ。何らかのタイムパラドクスが発生し、未来が変わってしまったということ。
ならば、何とか未来を戻さねばと、偶然であった高校生の青葉と共に何が起こったか調べ始めて……

タイムパラドクスがにより消えてしまった未来を取り戻すために奮闘する、未来から来たちょっと軽薄な時空監査員の女の子と、平凡な少年の青葉のボーイミーツガールな物語。

歴史的に問題ありそうなことでも、ペラペラ話してしまう時空監査員はどうかと思いますが、それはおいといて、ハルナの言動の軽いノリとドライなところが、どうにもチグハグな感じがしました。それを補う背景が薄いから、なおさらそう感じたのかな。なので、ひとつひとつを見ていくと悪くないんだけど、魅力がいまいちでした。

普段から女性に縁のない青葉が、美人でスタイルもいいハルナに振り回される姿は、笑えるようで微妙に笑えない男心があったりしますが、笑顔を見せられて、まあいいかと思う気持ちはなんかわかるなあ、とか思ったりする自分は痛いかもしれない。
まあ、何ていうか世界の危機が迫ってるのに、買い物いったり、パフェ喰ったりという緊張感のなさは、微妙なんだけど。

ストレートな展開で読みやすいし、こういうノリって好きなのに、引き込まれないのが、自分でも何とも不思議でした。タイムパラドックスを扱うといっても、わりと大雑把な感じで、その大雑把なところが、他のところでも感じられたからかしら。

そのあたりがちょっと残念ではありましたが、これが初めて書き上げた小説ということらしいので、次の物語ではまた違った姿が見れるかもしれません。次も読んでみるつもり。
第6回富士見ヤングミステリー大賞大賞受賞作。

僕たちのパラドクス―Acacia2279 - 厚木 隼

僕たちのパラドクス―Acacia2279
厚木 隼

富士見書房(文庫)
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