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[上遠野浩平] しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales

ハイヒール姿という軽装の死体が雪山で見つかった。毒殺されたらしいが、苦悶のあともなく、安らかな表情をしていたため、いつしか「白雪姫」と呼ばれるようになった死体の事件の話を、いつものように病室で待ち構えているしずるさんに話したら「それって、まだ解決していないの?」と、彼女は意外そうな顔をして……

入院しているしずるさんのために、よーちゃんが不思議な事件の話をお見舞いに持って行って、安楽椅子探偵をするシリーズ。今回は死体の惨状から、白雪姫、人魚姫、眠り姫、かぐや姫と呼ばれる殺人事件を解決していく物語です。

おとぎ話をモチーフにしているんですが、無関係な話が事件に繋がっていく展開は気持ちいいですね。普通の会話から、気がつけば、すっと回答が導き出されていく心地よさといったら!特にはじめの二編は、ワトソン役のよーちゃんへの示唆がうまいと思いました。

謎の不思議さもさることながら、今回は二人の間の空気が、いつもよりもはりつめていてドキドキしました。かけがえの無い相手だからこそ、ついてしまう嘘、そのことに対する後悔などが、ぐっと心に食い込んできます。

天然に見えるよーちゃんですが、思考の飛躍の仕方が、しずるさんに合ってるんでしょうね。そんなふたりの間柄が素敵です。真摯な言葉に赤くなるしずるさんという珍しいものが見れて良かった。やっぱり、このふたりの笑い合ってる姿はいいです。
ふたりで空を見ながら駆け回る。そんな風景が見られたら、ほんと嬉しいだろうなあ。

ふたりが作り上げていく物語の「はりねずみチクタ」も忘れてはならないこのシリーズの魅力ですね。短いながらも進んでいます。今回も最後のシーンがとっても印象的でした。この物語もどこまで続くのか楽しみです。

しずるさんと無言の姫君たち―The Silent Princess In The Unprincipled Tales - 上遠野 浩平

しずるさんと無言の姫君たち
―The Silent Princess In The Unprincipled Tales

上遠野 浩平
富士見書房(文庫)
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上遠野浩平

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