春休み。いつものように陸上の部活で走っていた聖司は、時計塔を見上げる女性に出会った。
祖父が時計塔の設計者であるという彼女は、近々留学するため記念に眺めにきたという。
動かなくなって久しい時計塔を。
透き通るような儚さを持つ彼女に惹かれた聖司と友人の駿介は、彼女のために行動することを
決意した。彼女が旅立つ前に時計塔の時計を修理しよう ―。
高校生の聖司、友人の駿介、知り合った女性の慧。
ある春の日の出来事を、三人の著者が、それぞれの登場人物の視点から描いた物語。
自分に対する自信の無さ。将来に対する不安。そして恋 。
真剣に悩む姿は読んでいて心苦しいほど。
そんな不安を抱える時期に出会った女性とのやりとりで見つけたものは、彼らにとって希望となる
ものだったのではないでしょうか。そしてそれは慧にとっても同じ。
それぞれ人物がまっすぐに進んでいく姿は微笑ましくて。
読み終わったとき、ああ青春だなあ、って感じた作品は久しぶりでした。
三人の著者の作品は今まで読んだことがありませんでしたが(緋野莉月さんはこれがデビュー作
だけど)、結構好みなので、他の作品にも触れていこうと思います。
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