「あんた、止めないの?」
「止めて欲しいの?」
訊き返されて、ラリエナは黙った。
「コンビなんだろう?僕ら」
銀河を統べる魔術帝国 — ガルドミル帝国の皇帝直属軍である蒼衣衛に所属する少女ラリエナは、辺境からやってきた美少女と見間違う少年・セーヤとコンビを組むことに。外見とは裏腹に、心を揺らすことない無愛想さと、とてつもない魔力を誇る後輩に、苛つき振り回されていたら、何と帝国を揺るがす大事件に遭遇して……宇宙で魔術を使うロボットバトル物語。
これは面白い。魔力の低さを気にしながら、ちょっと空回り気味に頑張る女の子と、魔力はものすごいけれど、あまりやる気が感じられない(けど頑固)な男の子が、徐々にコンビになっていく。いいじゃないですか。
ラリエナにはちょっとした秘密があり(バレバレなんだけど)、それが故にコンプレックスというか焦りを抱えて、任務に挑むんですが、他人を嫉妬する事よりも、まず自分がどうするかを考えていく辺り、良い子ですよね。女の子のような外見から偏見の目で見られることの多いセーヤを、ちゃんと見てあげるんですから。簡単なようで難しいからこそ、普段は流されるままのセーヤも彼女のために……ね。あまり感情が見えないセーヤだからこそ、心の内が見えたときにはニヤリでした。
話していくうちに、動いていくうちに、わかりあっていくふたりがとても良かったです。いつか恋に発展してくれたらいいなー。
少年少女のお話もさることながら、このお話の一番の面白さは、戦闘シーンだと思います。といっても一対一とかではなく(それはそれで魔法戦闘のようなロボット戦闘で面白いけど)、戦術的なもので。ちなみにロボットが人型をしているのは、魔術を構成するのに人型が一番適しているからだそうです。
閑話休題。
惑星を人質にして宰相の更迭を求めてくるというテロがあり、九十年に一度の儀式が間近にあるおかげで動かせる部隊が少なく、寄せ集め部隊が事にあたるんですが、偶然から導き出されたヒントを元に、敵を追い詰めていきながら、実は……という展開がとても面白い。策に熱くなるってのは、ほんとすごいよなあ。元同盟であり現帝国の艦長のカンが、ださいのに格好よくて、こんな中年おじさんになりたいものだと思うものです。
少年少女による凸凹コンビは、問題を起こしながらも活躍して、ひとまず事なきを得ましたが、まだまだ急造コンビですから、至らぬところが多いでしょう。クセのある人たちが周囲にたくさんいるので、何かと大変だと思いますが(おもにラリエナが)、面白いことになっていくのは間違いないと思います。お願い、続きを……!!!
銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)
三浦 良 久世
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