「それは……オレの何倍も、みんなが頑張っていたからだ」
両手の拳を固くして、砂の上に目を落とす。
「頑張ってるヤツに、頑張ってないオレが助けを求めるなんて、そんなみっともないことできるわけないだろ」
異性を見る目を養うため、聖☆ジュウゾー学園では、恋人を作ることを目的とした「カップル試験」がある。ナルシストでダメな理事長の孫・成道が、「中の下」の成績から、女の子に振り向いて貰うために努力していくラブコメ物語の第二弾。今回は臨海学校でグループ事に頑張るお話しです。
これは面白かった。容姿、成績、性格のそれぞれに秀でてないと勝てないというグループ対抗競技を通して、男女三人ずついる成道のグループが、まとまっていくところがいいです。すべてにおいて自分以外の人の能力が上で、でもそれに頼り切ってしまうことを情けなく思い、何も出来ないことを悔しく思い、それでも頑張ろうとする成道の姿に、他の人が動かされていくという展開が熱い……というと語弊がありそうだけど、良い感じなんです。
女の子たちは、それぞれ魅力を持っていますが、同時にコンプレックスも持っていて、ちらちら見えるコンプレックスを、なんだかんだでフォローしていく気遣いを見せるようになったところに、成道の成長を感じますね。そういえば、今回ナルっぽさをあまり感じられなかったなあ。ある意味裏表がない成道だから気を許しやすいですが、優しさを知っていくうちに、だんだん彼に心を許していくのは、よくわかる。
特に、無理やりグループに入ってきた莉子が、メインといっても良いぐらいの活躍とフラグを見せていくあたりニヤリですよ。絽美もドキドキの言葉をかけてくれるし。「ヴィーナス」が誰なのかは判りませんが、ラブコメ模様は一段と面白くなってきましたね。
そうそう。ラブコメだけじゃなく、女の子同士、男の子同士の友情模様も描かれているのが良かったです。友達って、なろうと思ってる時には、なっちゃってたりするんですよね。臨海学校の良さを感じました。
今回の試験(?)は見事切り抜けたものの、理事長たる祖父を怒らせたことで、何ともやっかいな出来事が降りかかってきそうです。どうなるか楽しみ。
中の下! ランク2.中の中を目指すオレたち (富士見ファンタジア文庫)
長岡 マキ子
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