「なぁ……鍵……あたしさ」
「な、なんですか」
「この気持ち……確認させて……くれない、かな」
生徒会を舞台にハーレム日常を描くラブコメシリーズの第八弾。第一話再び「駄弁る生徒会・リターンズ」、言葉に隠れた本音を明かそう「本音の生徒会」、変態性癖を持つ教師の報告書「きみつの生徒会」、会長のケーキを食べたのは誰?「疑う生徒会」、エロゲのシリアスコード探し「聖戦」、生徒会への要望アンケートを回収する鍵と深夏「回収する生徒会」、深夏、真冬、知弦が催眠術で幼児に「戻る生徒会」、そして番外編として枯野が宿敵・杉崎をサポートする「楽園からの帰還 〜前編・後編〜」が収録されています。
いつもながらの会話の楽しさはすごいな。同じようなことをやってるのに、ニヤリとさせられる。パターンもあり、それを崩した面白さもありで、気軽に楽しめるお話しですよね。それでいて、終わりを感じさせる描写が随所にあって、ちょっぴり寂しい気もしますが、高校を舞台にする以上、仕方ないことでもあると思います。残り時間もあとちょっとだけど、でも、そんななかで、いつものように過ごす時間の大切さを感じさせてくれます。
どの子も可愛いのはいつものことですが、いつもと違った形で可愛さを見せてくれたといえば、知弦さんだと思います。「本音の生徒会」では、普段の会話のあとに必ず本音が見えてしまうはめになり、初めこそ、黒いことは考えないようにしないとといってたのに、だんだん鍵くんのことを考えないようにとか言い出して、必死になって隠そうとする姿にニヤニヤが止まらない。ふだんドSだけど、実は打たれると弱かったりするんだなあ。うふふとなる。
でも、一番可愛かったのは、深夏でした。教室や部活動まわりを鍵と二人っきりで回る「回収する生徒会」では、交互に視点が切り替わり、相手が普段とは違う人間関係の中で、活躍する姿を見てはモヤモヤするものを抱き、それが嫉妬であり、もうひとつの思いであることに、深夏が気づいていく過程がとても良かった。もともと、このふたりは一番お似合いだなと思っていたけれど、ついに自覚した深夏が思いも寄らぬ行動を取り始めて、本当に可愛かったです。普段ハーレムと言いながら、肝心なところでは鈍い鍵は、さてどうするのかしら。
いや、番外編を読んでると、思いっきり最低路線を貫くような感じですけどね……。
生徒会の八方 碧陽学園生徒会議事録8 (富士見ファンタジア文庫)
葵 せきな
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