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SH@PPLE ―しゃっぷる(9)― / 竹岡葉月

ちくしょう神様。今ここで死ぬほど嬉しいのを、どうか止めてください。お願いですから、止めてください。
止めてください。止めてください。止めてください。どうか。
それが無理なら……

淡谷家の双子・姉の舞姫と弟の雪国が、お互い入れ替わって学校へ通ったら、というラブコメシリーズの第九弾。ダンスパーティが終わってから、雪国はもとの学校に戻り、古葉さんと一緒にいる時間が増えて……涙と笑顔の最終巻です。

これは本当に素晴らしかった。

序盤は辛かったです。すれ違った思いから目を逸らすように受験勉強に打ち込もうとするユキグニは、無理してるのが見え見えで、それでも笑顔を見せようと、傍にいる古葉さんと……なのに、やっぱり思いだしてしまうんですよね。ふとした時に好きな人のことを。何気ない出来事が、こんなにも彼女につながってる……切なくて苦しくて。

そんな彼を押してくれたのは、やっぱり彼女でした。本当に胡蝶の宮は素晴らしい人だと思う。恨むなんてことはしない。もちろん、嫉妬はあると思うけれど、好きな人の視線を間違えず、かつ可愛い後輩のために誇り高く動ける姿にしびれました。

胡蝶の宮だけでなく……ね。叶わないと知りながら、それでもチャンスを掴んだ古葉さんは、嬉しさとそれ以上に不安を抱えていたと思います。時に意地悪をして、必死に恋をつかもうとして。最後に押して上げるんだから、お人好しもいいところだ。まったく……この恋はきっと彼女にとっていいものであったと信じたい。

きっかけはこのふたりだけれど、乗り越えていけたのは、魔法使いたちのおかげですよね。彼らも悔み、一度は終りを考えたけれど、止まらずに駆け抜けた。その姿に、うっすら涙が浮かびました。もちろん、舞姫と芝目の話も、ね。ひーほー!

本当に誰かを想うって素敵だと、そう実感するお話でした。ひとりじゃなく、仲間がいたからこそってのもいいですよね。素晴らしい青春ものです。
これから先どうなっていくのか。そのあたりも、いろいろ思わせてくれる終わり方にニヤリ。

SH@PPLE  ―しゃっぷる―(9) (富士見ファンタジア文庫) - 竹岡 葉月

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