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東京レイヴンズ(1) / あざの耕平

「もう、嘘はつかない」
春虎は言った。
その言葉を聞いて、彼女はふっと小さく笑う。
「……当然です。嘘をつくような式神には、お仕置きなんですから」

霊的災害<霊災>が多発し、陰陽師たちが活躍する現代。安倍晴明の末裔でありながら、才能はまるでない土御門春虎は、禁呪のために、幼馴染にして土御門本家の現当主である夏目の力を狙う少女・鈴鹿と遭遇して……というお話。

面白かったー!なんと楽しいことしてくれるんだ、あざのさんは!
物語の展開もさることながら、人間関係の妙が素晴らしい。ニヤニヤやきもきさせられたあと、最後にああいうオチを持ってこられたら……ああもう!伏線と示唆の妙に笑みが止まりません。

もちろん、この人間関係をいろんな形で魅せてくれるストーリーテラーっぷりもすごいです。

安倍晴明の子孫であるという土御門家のものであり、その中でも天才と称される夏目でさえ、まだまだと言わんばかりの陰陽師・十二神将とか出てきて、しかもそれが霊災を起こすってどうなるんだよと読む手が止まらなくなる。力がないため逃げ回り、でも見過ごせない春虎を襲った悲劇と、そこから立ち上がる展開は、切なくも熱かった。心奮える。

春虎より霊知識豊富な冬児の、不真面目で真面目なサポートも活かされて、最後には……。力があるかどうかという点でいったらまだまだだと思うけれど、彼の言葉は心に響くものがあるよね。過ちを犯した少女は、きっと立ち直ってくれると、そう信じてる。

ああ、もう本当に楽しかった。一気読みでした。
運のない春虎とトラブルを楽しむ冬児がいたら、ペーペーだろうがなんだろうが、大きな霊災に巻き込まれるだろうし、何より夏目にまつわる噂がアレだとすると、今後もいろんな騒動が起きるでしょう。これからが本当に楽しみなお話です。

超オススメ!

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