「シェルティス……もしもわたしが……もしもですよ、仮の話ですよ?……あなたを支援するとここで誓ったなら、あなたもわたしを信じてくれますか?」
「ううん」
シェルティスは、とびきり悪戯っぽい笑顔で笑ってみせた。
「僕、そんなことしなくても最初っから華宮のこと信じてるよ」
凍てついた氷海の上空に浮遊する大陸オービエ・クレア。巫女の祈りによって、触れた生物を死滅させる幽幻種という存在から守られている大陸を舞台に、巫女となったユミィの幼なじみであり、ユミィの護衛になることを目指すシェルティスが繰り広げるファンタジーの第三弾。今回は、正護士を目指すために、シェルティスはモニカの部隊に所属することになったが、三人目のメンバである華宮がシェルティスの過去に触れて……というお話です。
面白かったー。ひとりでも強いけれど、仲間を得てさらに強さを発揮していくっていいなあ。始めは、警戒心を持っていた華宮が、最後に寄せた信頼が素敵だった。もっとも、寄せられたのは信頼だけじゃないかも知れないけどねと、ニヤニヤする僕がいる。 っていうか、モニカも……と思ってしまうから、まあ、なんだ(ニヤニヤ)。
もちろん、シェルティスが見つめる先は、よく知っているけれど、いまは遠い存在であるユミィで。彼女のところに辿りつくためにと、日々研鑽するところがいいです。 ユミィもまたシェルティスのために、一歩前に踏み出してて。このふたりの相手を思う気持ちは、とても綺麗だなと思う。
それにしても、天結宮と統制庁の会合が予定されてるときに、幽幻種以外のところで、物事が動くとは思わなかった。なんですかあのハマと言う術士の強さは。正護士ですら一蹴されるから、すごいけど、彼を抱える人達がなんなのかいろいろ気になる。
気になるといえば、「黄昏色の詠使い」を連想させる言葉が出てきて、嬉しくなったなあ。「アマリリス」は、こちらでも鍵を握るのかしら。
個人的にこのお話の中で好きなキャラクタは、正護士の人形遣いイーシャです。何かとシェルティスにちょっかい出してるけれど、負けずぎらいで向上心あって、何より誇り高い姿に惹かれます。ちょっと応援しちゃうよ、僕は。
氷結鏡界のエデン3 黄金境界 (富士見ファンタジア文庫)
細音 啓
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