「おいおい、鍵。なんだよ急に。散々他人の目を覚ましておいて、今さら寝るはないだろ」
「そ、そうよ杉崎。もっと、お話ししましょうよ」
「なんなんだよお前ら!捻くれ者かっ!俺が引いたときだけ、食いついてきやがって」
「杉崎君……」
「う。わ、分かったよ!まだ寝ねぇよ!だからほら、中目黒、自分のベットに戻れ」
「う、うん!えへへ。やっぱり杉崎君は優しいなぁ」
「お前からの好感度だけ相変わらずぐんぐん上がるなっ!」
美少女四人とハーレムを目論む鍵が、生徒会室で繰り広げる「小説四コマ」なラブコメディの番外編短編集の第三弾。以下の六編が収録されています。
- 生徒会シリーズの感動的な最終話を考える「いきなり最終話です」
- ことわざをくりむ会長が解説する「受験生必読だよ!」
- 新規読者のために設定を仕切りなおそう「これさえ読めば生徒会の全てが!……分からねぇだろうな」
- 二年B組の京都旅行「学を修めると書いて修学旅行。……お前ら、わかってるよな?」
- 十年前の生徒会長が残した日記「この人達のおかげで、今の碧陽学園があるのかもね」
- スク水の真冬ちゃんを誰にも見られないように部室へ送り届けよ「ゲームと現実を混同する若者の実態をとくと見よ!」
ああ、楽しい。一番面白かったのは、二年B組の修学旅行模様です。「就寝」では、寝台列車で眠りに付く前、みなでわいわい話す姿を描き、「移動」では、クラス行動で観光名所を巡り、「変身」は舞妓姿になった宇宙巡と杉崎のデート模様が描かれるお話なんですが、これ以上ないぐらい巡が可愛かった。毎回毎回、杉崎にアプローチしてるのに、なぜか気づかれないどころが、逃げられてしまう彼女の不遇さが、「舞妓さん」に変身することで、一気に花開くとは思わなかった。
いや、杉崎は「舞妓さん」が巡と気づいてないので、不遇といえば不遇なんだけど、それでも好きな人と肩を並べて古都をあるけたことは、彼女にとっていい思い出になったと思います。気恥ずかしくて、嬉しくて、ちょっぴり切なくて。そんな巡が可愛かった。
生徒会話で面白かったのは、十年前の生徒会長が書いた日記を読むお話。すっごいダウナーというかやる気がなくて、自己評価は高いようで低い、変な人が書いてるんだけれど、「碧陽学園改造プロジェクト始動」が始まってからの展開は、続きが気になってしまうものがありました。
学校が楽しくない、と言いながら、学校をよくする生徒会に入り、暗躍する政敵を相手取って一矢報いた挙句、いまの生徒会の礎を作り上げた先輩に拍手したい。例のところはさりげなく気づくように書いてあったので驚くことは無かったけれど、灯火が絶えることなく続いてることに、嬉しく思いました。
このシリーズは、本編だろうと外伝だろうと、毎回楽しませてくれるなあ。
生徒会の火種 碧陽学園生徒会黙示録3 (富士見ファンタジア文庫)
葵 せきな
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