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漂う書庫のヴェルテ・テラ(2) / 川口士

「女王陛下、俺はいまの状態が気に入ってるんだ。起きたいときに起きて、寝たいときに寝る。食べたいときに食べたいだけ食べて、読みたいときに読みたいだけ読む」
「駄目人間ですね」
「まったくだ」

祈りと印によって、空に輝く星々の力を行使する星導師の少年・ジグウォルと「万巻の書」と呼ばれる精霊レジィナが、戦によってあちこちに散らばった本を探す旅に出る物語の第二弾。今回は、聖堂の権力闘争に巻き込まれるお話です。

地味に面白い。強敵と書いて友と読ませるような、そんな間柄の星導師や騎士たちとのやり取りがいいんだよなあ。時に命のやり取りに発展することもあるけれど、力比べをしながら、生長を確かめ合う、みたいな戦いに熱いものを感じます。

またね、つい先日まで命を狙っていたのに、目的のためなら手を組むみたいな輩がいて、そんな人に対しても、妙な信頼関係が見えたりするから、にやりとさせられるんだ。 会話の端々に感じるユーモアも素敵で、この人の物語は、とても惹かれるものがあります。

で、外法の星導師であるジグウォルからしたら、敵対している聖堂の権力闘争に巻き込まれることになるんですが、この過程でジグウォルの過去が少しだけ見えてくるのが興味深いです。それまで、ジグウォルを聖堂へと率い戻そうとしていたリシュルが、彼の過去を知っていく過程で、少しずつ意識が変わっていくところが、良かったです。辛いかもしれないけれど、前を向く姿が、気持ちよいものでした。なんでしょうね、この心地よさ。

漂う書庫のヴェルテ・テラ2(富士見ファンタジア文庫) - 川口 士

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Comment:2

zetton 2010-03-01 (月) 10:53

ご存知かもしれませんが、川口先生のブログでライタークロイスの後日談が書かれています。
一年ほど前のことなのですが、最近知ったので。

deltazulu 2010-03-01 (月) 21:01

僕もつい先日知りました。ありがとうございます。
読んだとき、もう、あの……、いえ、何でもないです、って気持ちになりました(笑)

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