「桃原誓護は非力な人間にすぎないけど、知恵くらいなら、貸してあげられる」
「……何か考えがあるの?」
「アコニット、君―」
誓護はぽんとアコニットの肩を叩き、軽い口調で訊いた。
「侵略する覚悟はある?」
咎人を煉獄へと送る教誨師(グリモアリス)として、地上へ降り立つ少女・アコニットと、彼女の手助けをする桃原グループの御曹司・誓護が繰り広げるファンタジーな事件簿シリーズの第八弾。今回は、霊廟と決裂し、戦力差に不安を抱えるアコニットに、誓護がある案を持ち出して……というお話。
いやあ、面白かった!
アコニットひとりを差し出せば、講和に応じると言う霊廟の言葉に、アコニット以外のものがすべてNoを突きつけるところに、仲間の絆を感じましたが、ここに限らず、いろんなところで、同じようなものを感じさせられました。信頼関係があるからこそ、不利な戦いでも覚悟が生まれるんだよなあ。このあたりの描写がとてもよかった。
今回何といっても熱いのは、霊廟側にいる七剣花者との戦いでしょう。序列上位にいる者たちを相手にして、一歩も引かない戦いは、しびれるものばかりでした。誓護の策によって、それぞれがひとりを受け持つ、みたいな感じで、バラバラに戦ってましたけど、斬斬は格好いいわ、アザレアはしびれさせてくれるわで、もうどうしてくれようかと思いました。ピンチになると必ず仲間が助けてくれる信頼関係に拍手したくなりました。
それにしても、誓護は一か八かの賭けが強いな。もちろん勝算があってのことだろうけれど、それでも戦いの最中にアイギスを手放すとかありえない。しかもそのあとの言葉は……女ったらしめ!と思ったのは僕だけじゃないはず。
アコニットとふたりっきりになると、ドキドキとお約束を見せてくれるくせに、まったくもって、困った男だ(にやにや)
そんな誓護の策をにこやかに受け止めた黒幕の存在は、ああなるほどと納得させられるものがありましたが、さらに切り返す誓護は天才すぎると思います。あんなの気づけないよ……でも、彼には彼で不安が残るものがあるしなあ。
次なる最終巻で、鈴蘭と天狼がどんな手を下してくるのか、そして彼女はどうなるのか。いろいろ気になるばかりです。
幻想譚グリモアリスV 天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)
海冬 レイジ
関連エントリー
[海冬レイジ]
[夜想譚グリモアリス感想一覧]
[富士見ファンタジア文庫]
[富士見ミステリー文庫]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > 幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3509
- Listed below are links to weblogs that reference
- 幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ from booklines.net







