Home > ライトノベル > 幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ

幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ

「桃原誓護は非力な人間にすぎないけど、知恵くらいなら、貸してあげられる」
「……何か考えがあるの?」
「アコニット、君―」
誓護はぽんとアコニットの肩を叩き、軽い口調で訊いた。
「侵略する覚悟はある?」

咎人を煉獄へと送る教誨師(グリモアリス)として、地上へ降り立つ少女・アコニットと、彼女の手助けをする桃原グループの御曹司・誓護が繰り広げるファンタジーな事件簿シリーズの第八弾。今回は、霊廟と決裂し、戦力差に不安を抱えるアコニットに、誓護がある案を持ち出して……というお話。

いやあ、面白かった!
アコニットひとりを差し出せば、講和に応じると言う霊廟の言葉に、アコニット以外のものがすべてNoを突きつけるところに、仲間の絆を感じましたが、ここに限らず、いろんなところで、同じようなものを感じさせられました。信頼関係があるからこそ、不利な戦いでも覚悟が生まれるんだよなあ。このあたりの描写がとてもよかった。

今回何といっても熱いのは、霊廟側にいる七剣花者との戦いでしょう。序列上位にいる者たちを相手にして、一歩も引かない戦いは、しびれるものばかりでした。誓護の策によって、それぞれがひとりを受け持つ、みたいな感じで、バラバラに戦ってましたけど、斬斬は格好いいわ、アザレアはしびれさせてくれるわで、もうどうしてくれようかと思いました。ピンチになると必ず仲間が助けてくれる信頼関係に拍手したくなりました。

それにしても、誓護は一か八かの賭けが強いな。もちろん勝算があってのことだろうけれど、それでも戦いの最中にアイギスを手放すとかありえない。しかもそのあとの言葉は……女ったらしめ!と思ったのは僕だけじゃないはず。
アコニットとふたりっきりになると、ドキドキとお約束を見せてくれるくせに、まったくもって、困った男だ(にやにや)

そんな誓護の策をにこやかに受け止めた黒幕の存在は、ああなるほどと納得させられるものがありましたが、さらに切り返す誓護は天才すぎると思います。あんなの気づけないよ……でも、彼には彼で不安が残るものがあるしなあ。

次なる最終巻で、鈴蘭と天狼がどんな手を下してくるのか、そして彼女はどうなるのか。いろいろ気になるばかりです。

幻想譚グリモアリスV  天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫) - 海冬 レイジ

幻想譚グリモアリスV 天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)
海冬 レイジ

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[海冬レイジ] [夜想譚グリモアリス感想一覧] [富士見ファンタジア文庫] [富士見ミステリー文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > 幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3509
Listed below are links to weblogs that reference
幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > 幻想譚グリモアリス(5) 天の座に咲け叛逆者 / 海冬レイジ

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top