「……あいにくわたしには話が見えないんだが」
怪訝な面持ちでじっとこちらを見すえる彼女。
「ええと、なんて言えばいいのか」
とっておきの悪戯を思いついた子供のような表情で、シェルティスは。
「モニカ、明日また僕と部隊組んでくれないかな。今度は本当の任務で」
凍てついた氷海の上空に浮遊する大陸オービエ・クレア。巫女の祈りによって、触れた生物を死滅させる幽幻種という存在から守られている大陸を舞台に、巫女となったユミィの幼なじみであり、ユミィの護衛になることを目指すシェルティスが繰り広げるファンタジーの第二弾。今回は、何かと目立が故に、候補生たちの間で孤立したシェルティスが、同じように孤立していた少女モニカとコンビを組むお話です。
これは面白かった……けど、ちょっとあっさりかな。
かつてシェルティスが、巫女の専属護士を目指していた頃とは、訓練のシステムが異なるため、戸惑うことが多くなるんですが、昔の仲間が何かとサポートしてくれて、町に降りていたときに知り合った友達から元気をもらい、さらには新たに仲間となった護士候補生・モニカによって、狭くなっていた視野を広げて行く展開がよかった。
人の出会いとは誠に不思議なものだけど、巡り合わせってあるもんだよなあと思ったりします。
ただ、個人的には、ユミィたち巫女が抱えてることについては、示唆されたことから、自分で気づかないと、本当の意味で辿りつけているのかは疑問に思う。まあ、それはこれから、同じような経験を繰り返して行くことで、埋めて行くのかもしれませんね。
今回、天結宮とは犬猿の仲である統政庁の管理する浮遊諸島に、シェルティスとレオン、モニカの三人で、調査に向かったわけですが、何やらきな臭い企みが感じられるなあ。このあたり、今後どう展開されて行くのか気になるところです。
まあ、危険はたくさんあるだろうけれど、新たな仲間も増えたし、何より、ユミィを守ると言う目的のために、シェルティスは頑張っていくでしょう。三角とか始まるとうれしいけど……どうなるんだろう?
あ、あまり関係ないけど、個人的に、ただの候補生が最高クラスにいる千年獅と親友であるというのは、好きなシチュエーションです。クールなモニカが動揺するのも無理ないと思うけど、今後も似たようなシーンが出てくるんだろうなとニヤニヤする。
氷結鏡界のエデン2 禁断水晶 (富士見ファンタジア文庫)
細音 啓
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