「こっちは本物……ですよね?」
「本物……。それが幽霊って意味なら、どうなんだろう?」
「ええ?まだ抵抗するんですか?そんな体験をしておいて。明らかに幽霊ですよね?」
「幽霊はいなくても、幽霊を出現される呪いはある。そんな風に思っているんだよ」
小説のネタにでもなればと、怪奇体験談を収集していた著者が、編集アルバイトの持ち込んだ体験談をきっかけに巻き込まれた出来事を描いた実話ベースの物語……らしい。
「ちょコワ」なんてタイトルだから、ちょっと怖いのかと思ったら、超怖くて面白かった!
初めは、ズレた考え方をする編集アルバイト妹兎子と、怪異話は好きだけど、幽霊とかはまるで信じない著者・水城の間で、「そういえば、こんな話が……」と、怪談話を繰り広げてるだけですが、ツッコミ満載なものもあれば、ちゃんと落とす不気味なものもあったりして、短いながらも結構楽しめるものが多い。
でも、本領を発揮するのは、編集アルバイトの妹兎子さんの体験談を追っていくうちに、リアルな方面にまで絡んでくるあたりですよね。調べるほどにズレが生まれ、隙間を埋めていくうちに、見えない何かが関わっているような、導かれてるような、そんな怖さを感じてしまいます。
「呪い」が降り懸かるところなんてもう!怪異が生み出す人の怖さにゾクゾクしっぱなしでした。なんていうか、怖いもの見たさみたいな感じで、引き込まれてしまいましたね。怖い、でも面白い。
それまで何ら関係なかった怪異話までもが連鎖してくる展開もあったりして、ほんと面白かった。すっきりしないところもあったけれど、それもまた怪談ってことなんでしょうね。
これはぜひとも第二弾をお願いしたいところです。
ちょコワ、いかがでしょう? ほんとにあった、ちょいコワ奇譚集 (富士見ファンタジア文庫 み 3-1-1)
水城 正太郎
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