「貴方の進む道はきっと幾つにも分かれていることでしょう。けど進むしかないのです。さあ、お行きなさい。呪われしさだめを背負った『貴婦人の吾子』よ」
この世界と向こう側をつなぐ「ゲート」を一千年にわたり護りつづけてきた「鍵の番人」レイニーと、同じくゲートを護る教皇庁の組織「エスクード」の薫がコンビを組み、「ゲート」を封ずる唯一の存在「レディ・キィ」を捜し求めるシリーズの新章第四弾。今回は、盟王アロマの復活によって、魔族の侵攻が始まるシリーズ最終巻です。
ここにきて薫の境遇が重苦しくなってくるとは……そうだよなあ。いままでレイニーの背負ってたものが、降りかかってくるんだもんなあ。頭ではわかっていても、自分の居場所がないことに傷つく姿がやるせなかった。
それでも、彼が耐えられたのは、敬愛する先人がいたからですよね。頑固なまでに一途な思いが、囚われのレイニーとの繋がりを見せてくれるようで良かったです。
それにしても、アロマとの戦いに挑むものたちの覚悟とかが熱かった。敵の敵は味方と言わんばかりのタッグに、思わず興奮するものがある。まあ、敵といいつつ、元は仲間だったりする人もいるので、複雑な思いが絡み合うから……ね。こういう演出が憎いったらない。
敵でありながら味方となったもので、もっとも良かったのは、薫と行動を共にしたヴァルディーでしょう。ツンとしながら、だんだんと薫にデレてく姿が可愛くて。かといって、お色気担当なわけでもなく。いじっぱりだけど、プライドを持った格好いい女の人の戦い方に、ぐっと拳を握りたくなりました。
ヴァルディだけではなく、真澄の宿命の戦いでもしびれるものがありましたが、それ以上に最後が切なくて……繋がれた手のぬくもりと重なった唇が、ふたりにどんな思いをもたらしたのか。考えただけでじわっときました。
いやあ、面白かった。このシリーズを読めて、ほんと良かったと思います。エピローグもまたいいんだ。
あのままだと暗い終わり方になりそうだったけど、きっちりと自分を確立して、好きな人を振り向かせようと頑張るルーシアの乙女心をみてると、応援したくなるものがありまあすよね。相手は朴念仁で頑固だからなかなか振り向かないかもしれないけど、頑張れ、ルーシア!
灼熱のエスクード4 DADDY、BROTHER、LOVER&LITTLE BOY (富士見ファンタジア文庫 た 1-2-4)
貴子 潤一郎
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