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[手島史詞] 影執事マルクの忘却

「おんしは卑怯じゃ。私のことをどう想っているか、それくらいハッキリ言わぬか」

精霊に対価を捧げ、異能の力を手に入れた契約者たるお嬢様のエルミナと執事・マルクが繰り広げるコミカルなシリーズの第四弾。今回は、事故のショックでエルミナが記憶喪失になって……というお話です。

記憶をなくしたことで、いつになくしおらしいエルミナの様子に、皆の戸惑いが見えて、思わず笑ってしまうものがありますが、それはさておき、エルミナのために動くマルクは、主従を越えたものを感じさせますね。自然とやるからたちが悪い。
でも、考えてみたら、エルミナとの出会いからそんなに経ってないのなら、不安を覚えるのは当然か。思い出してほしい。でも辛いことを思い出すなら……

と、揺れるマルクを見てたら、もはや他の人が入る隙間なんてないよなあと思ってたけど、やってきたかカナメ。
彼女自身、エルミナのことを守りたいと思う気持ちがあるので、遠慮してるところもあるんですが、ふと漏らすマルクを意識する言葉に、きゅんきゅんしてしまう。

ま、さすがに唐変木なマルクも、今回は自覚するところがあったようですが……過去のトラウマはともかく、この時点ではっきりしないとは。まったく、いとヘタれですね。これじゃ女性陣も悩むわけだ。

ともあれ、今回の出来事は、エルミナの秘密がちょっとずつ見えてくるものであり、エルミナやマルクが思いを自覚していくお話でもあったように思います。

笑顔が素敵な、ちょっとお転婆であっただろうエルミナが、今のようになったのはいつからか。姉への思いに愛情を感じながら、しかし姉とエルミナを繋ぐものの示唆された末路は、あまりにも切なくて……。

それでも、告げることを決意したエルミナの思いに、マルクはどう答えていくのか。大いに気になるところです。

影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫 て 1-1-4) - 手島 史詞

影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫 て 1-1-4)
手島 史詞

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