「ミロクがケガをした。これは見過ごせないよ」
「違うっ!」
胸ぐらをつかむ手に力をこめ、ありったけの声で否定するジュジュ。
「ケガしたんじゃねえ!ミロクは私を守ったんだ!それを間違えるな!」
剣バカのミクロが騎士になったら、配属先はなんと麗しき姫の講演の舞台を設置する施設部隊「赤目隊」で……というシリーズの第二弾。今回は、ジュジュが姫として、敵地であるホラキアで講演することになったが、そこへオウガン帝国の手が伸びてきて……というお話。
これはとてももどかしかった。ジュジュを守るという誓いを胸にジルサニアの騎士になったのに、故国との戦いが始まるかもしれないとなると、どうすればよいのか揺れる姿が、なんともね。
思わず他人に判断をゆだねてしまうあたり、バカ正直なミロクらしからぬように思ってしまいますが、立場を考えたら、迷うほどのこともないだろうに……ってところに、ジュジュへの思いを感じます。
迷うジュジュとは違い、敵国へ向かうにも関わらず、一歩も引かぬジュジュは、背中で語るようなものを感じさせますね。彼女とて平気なわけはなく、迷っているけど、それでもミロクを信じる姿に、彼女の思いを感じました。
それにしてもオウガン帝国の天尾隊は強いな。赤目隊とほぼ互角……といっていいかな。くせ者同士の戦いは、何が起こるかわからない面白さがあります。
天尾隊の隊長シェンランとミロクの関係については、どんな確執があるのかと思ったら……そうくるか。たった一言でガラリとイメージが変わりましたよ!なるほど、ミロクの迷いの理由の一端がよく分かる。
それでもミロクが騎士であり続けているのは、ひとりでできないことでも皆がいれば、みたいな思いがあるからなんじゃないかしら。刃を向けあいながらも、自分の思いをはっきりとさせて、伝えることが出来たのはよかったと思います。
これですこしは二国の間も……と思ってたのに、なんですか、あのラストは。時間稼ぎにもならないのか。汚れ役を引き受ける天尾隊とはいえ、こうなるとどこまで動くのか、どう動くことになるのか。油断できません。
本日の騎士ミロク2 (富士見ファンタジア文庫 た 5-1-2)
田口 仙年堂
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