さあ、桃原。開戦を告げるゴングは鳴った。
正々堂々、騙し合いといこう。
咎人を煉獄へと送る教誨師(グリモアリス)として、地上へ降り立つ少女・アコニットと、彼女の手助けをする桃原グループの御曹司・誓護が繰り広げるファンタジーな事件簿シリーズの第七弾。今回は、最愛の妹・祈祝を拉致された誓護が、鈴蘭とその配下にいる千秋たちの仲間になると言い出して……というお話。
これはおもしろかった。祈祝が人質に取られたら刃向かえないのでは……と思ってたけど、ここまで思い切ったことをするとは思わなかった。そりゃ、アコニットが不安になるわけだ。
いつになく脆さを見せてくれたアコニットに、誓護への思いを感じて、女の子してるなあとニヤニヤしてしまいました。
で、千秋たち。
誓護を仲間にしたく呼びかけたにも関わらず、仲間になったら疑ってしまうのは、彼の性格を知ってたら当然ではありますが、そのことがすでに誓護の罠だってところが素晴らしい。心を読むことができる鈴蘭を相手取っての騙しあいに、引き込まれました。
かなりギリギリの綱渡りではあったけれど、面白かった。
人質をとても効果的に使う鈴蘭の非道さにもうっとりさせられますが、完全に計算しつくした欺瞞をやりとげた誓護に拍手したくなりますね。
にしても、最後に敵を逃すのは興ざめてしまうんですが、それはさておき、このことで憎しみが本当になっていくとなると……もしかすると足を掬われたりするのかしら。いろいろ気になります。
幻想譚グリモアリスIV 罪と祈りとほほえみと (富士見ファンタジア文庫 か 7-1-4)
海冬 レイジ
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