「俺がやりますよ。休んでてください」
「いいんだ。俺たち、このぐらいでしか恩返しできないし」
そして騎士はミロクの手を強く握った。
「ありがとうな。俺も、俺の仲間も助かった」
戦うものばかりではなく、国の仕事を請け負った人間すべてを騎士と呼ぶ国ジルサニア。剣に自信があるミクロは、騎士となって国を守る決意だったのに、配属先はなんと麗しき姫の講演の舞台を設置する施設部隊「赤目隊」で……というお話。
これは楽しいですねえ。なんせ麗しき姫だと思ったら、赤目隊の前ではガサツなんですから。
ついつい敬語を使いがちなミクロが、だんだんと遠慮無くなるところに思わずにやり。いい性格してるよ、姫もウサギの隊長も。
腕自慢がその武器を封じられて、慣れない仕事(むしろパシリ)に忙殺されて、何でこんな仕事をしてるんだろうと悩む様子には、ちょっと可哀想なところもあったけれど、実は劣等感の裏返しだったんですね。
気づいていたからこそ焦り、それがさらに気持ちを追い込んで、ついには暴走してしまったけれど、本音をぶつけあったことで、仕えるべき主君を見いだしていく展開がよかったなあ。
小さな声で、でも心に届くその言葉に、胸が熱くなりました。
いやあ、おもしろかった。
落ちこぼれ隊の大活躍っぷりと、誇りを持った戦いと、なにより、姫とミロクの関係がいいですよね。いまだ「剣」の詳細については明らかになっていませんが、周囲の人の口振りを考えると、かなーり楽しいことになりそうです。
隊の仲間たちも個性豊かなだけでなく、何かと抱えてるものがあるようですし、これは続きがとても楽しみだ。
本日の騎士ミロク1 (富士見ファンタジア文庫)
田口 仙年堂
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