「いえ、僕は部隊を送り込むとは言っていませんよ、最強の兵を送ると言ったのです。僕たちは共に所有しているではないですか、たった一人でありながら、何十、何百という敵と対等に戦える兵を」
「……まさか」
「そうです。<風の戦乙女>と、<赤の悪魔憑き>ですよ」
貴族の暴虐を正すとして、若き指揮官ジェレイドと<風の戦乙女>が率いる反乱軍と、それを治めようとする王国軍の戦いを描いたお話の第六弾。今回は、停戦を話し合う王国軍と解放軍が、北から襲いかかってくる傭兵と戦うために、共闘するお話です。
いやあ、面白かった!
ジェレイドとカルレーンの停戦交渉の駆け引きは、自分たちを有利にしようとするものだったのに、間に入るクラウディアが主導権を握っていくから、恐れ入る。
決して見くびっていたわけじゃないんだろうけど、民のために動くクラウディアを甘く見てましたね!とても痛快。
ただ、カルレーンが一歩だけ勝ったのは、ベアトリスを連れてきたことですな。彼女の一言が、クラウディアやエレナに与えた衝撃は大きいだけに、アレスとの間に何が生じるか気になるところ。
それにしても、北からの侵略に対して、この共闘がみられるとはなあ。予想はしていたけれど、こんなに早く実現するとは思わなかった。
無力さを味わいながら、愛する家族のために、生きるために、必死になって戦ってきた農民たちの前に、<赤の悪魔憑き>が立ち上がったときには、涙がでそうになる。
<赤の悪魔憑き>の本領ともいうべき、無双っぷりには大興奮させれましたが、どうやら敵にはもうひとつ隠し玉があるようですね。となると、今度は<風の戦乙女>が活躍するのかしら。楽しみですね。
火の国、風の国物語6 哀鴻遍野 (富士見ファンタジア文庫)
師走 トオル
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