Home > ライトノベル > [三浦良] MA棋してる!(1)

[三浦良] MA棋してる!(1)

「何か見慣れない文字だし、図形の上に規則的に並んでる気がしたから魔法陣か何かかと思ったのに」
「魔方陣?」
「魔法の補助的な役割をする特殊な図形のこと。さらに呪文を書き加えることもある」
「いや、それは何となくイメージがわくんだけど……そっか。将棋が魔方陣か」

これは面白かった。
棋士の父と史学者の母を持つ白瀬奏が、グノスという異世界の魔法学院からやってきたというソフィーと出会ったら、グノスの王位決定戦に巻き込まれてしまうというお話なんですが、この魔法の構築が面白い。

衣食住を提供する代わりに、ソフィーがグノスの魔法を教えてくれるんですが、共通認識に若干の異なりがあることから、操るようになるまでには時間がかかるってときに、何者かに襲われてしまったので、自分なりの魔法を作り上げる必要が出てきたので、慣れ親しんだ将棋をベースに魔法を作り上げていくという構図。

自分なりの魔法といっても、好き勝手できるわけではなく、矛盾が生まれたら当然魔法は発動しないし、下手な組み立て方をしたら自爆する可能性もあるので、それなりのルールを設けなくてはならず、という制限がいい感じに決まってます。将棋盤が魔方陣に、「3八銀」「7六歩」という言葉が呪文に。そう見立てると、なるほど、魔法っぽくも見えるから不思議です。

奏は将棋をベースに魔法を構築しましたが、今回奏を襲ってきた咲は、「スタンダード::Mアウト << 火球 フラッシュ」みたいな形で、プログラムをベースに魔法を構築してるんですが、奏にしろ咲にしろ、相手が将棋、プログラムを使ってる、というところまでは見抜けても、奥深くまではわからないので、手探り状態で相手を追い詰めていく展開が、面白くて面白くて。

前半は、ソフィーと奏の異世界交流(認識すりあわせとか)が中心となる上に、ソフィーは金儲けを気にして、グノスやら魔法の話をあまりしてくれないので、ちょっと退屈……というか、テンポが感じられないんですが(でも、奏がソフィーをやり込めるところは好きだ)、魔法関係が動いてくると俄然面白くなりますね。

今回は魔法についての設定話が中心となった感があるので、話が動いてくるのは続編以降になるでしょう。ここからが面白くなりそうだと思わせてくれるシリーズ幕開けでした。

王位決定戦で敵対していた咲&ノイアとの共闘も面白かったし、だんだんとソフィーとの交流にも慣れてきて愛らしいものを感じる……ようになってきたような気がするし、ま、なんといっても、奏が楽しそうだからいいよね。たぶん、ソフィーも奏と一緒にいることで感化されてくると思うし、シリーズの行く末ともども、このコンビの行く末が楽しみです。

Hello, Magic World!

MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫 み 2-1-1) - 三浦 良

MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫 み 2-1-1)
三浦 良

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[三浦良] [富士見ファンタジア文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [三浦良] MA棋してる!(1)

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2709
Listed below are links to weblogs that reference
[三浦良] MA棋してる!(1) from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [三浦良] MA棋してる!(1)

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top