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[雨木シュウスケ] コンプレックス・デイズ 鋼殻のレギオス Ⅹ

「味見を……」
振り返れば、銀髪を輝かせたフェリが立って、ずいと小皿を押し付けてくる。謎の暗黒物体が放つ異臭に、カリアンは目をそらした。
バンアレン・デイ。
ついさっきまで特に気にもしていなかったその名前が、この瞬間、脳裏に浮かび上がった。
(な、なんということだ……)

気になる異性にお菓子を贈るバレンタイン・デイならぬ、バンアレン・デイを巡る三つの物語と、レギオス誕生の謎にまつわる因縁を描いた中編「槍衾を征く」が収録された短編集です。

流行に踊らされたくないと思いながら、ついついレイフォンのことを夢想して、お菓子作りをはじめてしまうフェリが可愛くてしょうがないんですけど、どうしましょう。まあ、念威操者として優秀だからといって、お菓子作りはどうかというと、試食させられる羽目になった兄・カリアンが次の日学校を休んだことから想像できると思いますが。
勢いにまかせて作ったはいいものの、今度はどうやって渡すかを悩み始めて、いっそのこと誰かの勢いを借りようとするあたりが、まったくもって素直じゃないんだからとニヤニヤしまくる僕がいる。

二話目は、同じ日にレイフォンが都市警のバイトで、窃盗未遂犯を追うお話なんですが、体育座りのレイフォンのイラストがかわいかったなあという印象ぐらいしかなかったような。あ、興奮作用をもたらすハトシアの実でゴロゴロするシャンテのイラストも良かった、うん。

個人的にはニーナも参戦してくるかと思ったんだけど、それがなかったので残念だったりする。

で、中編の「槍衾を征く」では、混乱の源とされるディックが、狼面衆やらサリヴァスやらと戦ってましたが、印象に残ってたのは、ニーナが幼いころ電子精霊と出会い、そして深い絆を作っていくところでしょうか。ああ、こういう下地があったからこそ、なんだなあと思った次第です。
狼面衆とディックのやり取りから、ニーナの重要さが伺えますが、さて、これからどうなっていくのかしら。

さてさて、今回は短編集でしたが、次回も同じように短編+中編となるそうです。フェリ話は面白いんだけど、それ以外の学園部分がイマイチなので、次回も同じならどうしようかなあと思う僕がいる。

鋼殻のレギオスX  コンプレックス・デイズ (富士見ファンタジア文庫 あ 1-1-10) - 雨木 シュウスケ

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