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[川口士] ライタークロイス 4

「さあて、戦でござる、戦でござる」
あらためて、頭の中で計画を整理し、要点を確認する。成功しようと失敗しようと、自分の存在が明るみに出ない限り、帝国の目は外から内へ向けられることになるだろう。
しかし、あっさり済ませてしまっては意味がない。
灯火ていどでは駄目だ。巨大な火に。身を焼くほどの業火に。

騎士を目指して帝都へきたものの、騎士試験を受けられなかった少年カインが、ひょんなことから皇女と知り合い、彼女の従衛となって、従衛をしながら騎士を目指すシリーズの第四弾。今回は、ただの従衛が魔物と戦って生き延びたことなどから、騎士たちの間でカイン注目を浴び始める中、同じく従衛を勤めていたレイクが突然「従衛をやめる」と言い出して、さらに内部で反乱が起きて……というお話。

カインをめぐって繰り広げられるファリア VS イングリドのやり取りは、もはや鉄板な面白さを誇ってくれますね。個人的には、カインは、イングリドとのやり取りのほうに、安らぎを覚えてるような気がしますが、さてさて。

お嬢様方ふたりだけでなく、騎士たちの間からも、何かと注目を浴びるようになって。まさか騎士団長と手合わせするとは思いませんでしたけど、まだまだということを目の当たりにしたのはいい経験だったんじゃないかな。これをバネにますます精進を……と思ってる最中、突然レイクが「従衛をやめる」と言い出して、さらには、インフェリアの謀略によって、帝国がゆれ始めるんだから、もう読む手が止まらない。

それにしても、うまいところついてくるよなあ。魔物という不安要素に、皇女の秘密という火種を撒いちゃうんだから、国を憂う騎士からしたら、思わず立ち上がってしまうのもわかります。特に魔物に故郷を蹂躙された過去がある人なら、なおさらでしょう。 もちろん、国を憂うなら立ち上がっていいのかということは、それはまた別の話ではあるんですが、逆に国を思う気持ちがあったからこそ、皇子の処遇に迷ってしまったんだろうなあ。
おそらく迷わなければ、はじめの目的だけは達成できたであろうに、と思ったりする。

皇女ファリアの秘密については、驚きつつも納得するものがあったのは、やっぱりお転婆という言葉ではすまない行動力があったからかな。とはいえ、その秘密を守るための重圧たるや、少女の肩では支えきれないものがあったと思います。
あのとき「戻れ」といった彼女の声を、カインが振り払い、共に戦う決意をしてくれたことは、ファリアにとってどれほどの支えになったことか。カインにとっても大きな分岐点だったと思うけど、この決意が未来を見せてくれることを願わずにいられません。

いやあ、面白かった。
今までは魔物と戦うことだけを考えていたけれど、ここにきて騎士との戦いも見えてきて、ああ、戦争とはこういうものなんだなと思った次第。そんな中、憎まれ口を叩き合う仲だったアヴァルとの信頼が築けたり、一度は落ちたレイクと再び手を取り合えたこと、さらには国を思ったものとの戦いで引き受けたバトンなど、いろいろなドラマを経たことで、きっとカインも大きく成長してくれたんじゃないかな。

これから、帝国がどうなっていくのかはわかりませんが、ひとまずカインも引き立てられることになったし、従衛を続けながら、騎士としていい位置につけてくれたら嬉しいなあ。
そうそう。ちょっとシスコンな皇子のせいで、カインとファリアはなかなか難しいものがあるかもしれないけれど、イングリドとはいい雰囲気になってきているので、がんばれーと応援したいです。

ライタークロイス4 (富士見ファンタジア文庫 170-5) - 川口 士

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Comment:2

ジャラル 2008-07-27 (日) 13:50

前回でシリーズ通してのライバル?になりそうなキャラが死亡するという意外な展開だったですが、今回の敵は欝小説好きな陰謀家で、彼の引き起こすクーデターという危機に主人公カインが正面から立ち向かう・・・今回も良かったですね。2巻から始まった「コイツは敵だ!」のファリア VS イングリドの陰険漫才も健在です。今回はイングリドのやや勝ちかな?
次巻ではいよいよカインが騎士になり、どんな聖獣を召喚するか楽しみです。

deltazulu 2008-08-02 (土) 11:31

あ、そっか。騎士になったら召喚できるんでした。
すっかり設定忘れてた(汗

どんな聖獣か楽しみですが、それ以上に女の戦いも楽しみな僕がいる。

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