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[貴子潤一郎] 灼熱のエスクード(2) LADY STARDUST

『そうそう、今日、ウチの学校で採血検査があったんだ。んで、ナースさん(かな?)の中にすっげえ美人がいてな。撮影に成功したから送ってやる。感謝するように』
添付ファイルを開く薫の手は震えていた。
「これも……偶然なんですかレイニーさん?」
薫は写メールに写った、鮮血のように赤い髪の美女に向かって訊ねた。

この世界と向こう側をつなぐ「ゲート」を一千年にわたり護りつづけてきた「鍵の番人」レイニーと、同じくゲートを護る教皇庁の組織「エスクード」の薫がコンビを組み、「ゲート」を封ずる唯一の存在「レディ・キィ」を捜し求めるシリーズの新章第二弾。今回は、薫と魔術士ルーシアが、イギリス女王の命により、『落丁の一頁』とそれを追っていた部隊を救出するために、魔族が集うというフランスのモン・サン・ミッシェルに赴くというお話です。

まさか!
読み終わった瞬間に思わず叫んだ言葉でした。まさか、こうくるとは思ってもいなかった。前作から、ずっと臭わされていたレディ・キィの存在が見えたときには、ああ、もう、鳥肌がとまらなくなりました。なるほど、薫にとっては辛い「選択」だ、これは。

とまあ、ラストの衝撃はさておくとして、『落丁の一頁』を巡るお話。
『落丁の一頁』は、ルーシアにとっては大きな意味を持つもので、彼女の恐怖を知っていると、不安定にゆれる気持ちがよくわかってやるせない思いになりますが、ある意味追い詰められたことで、彼女も素直になれたのは、良かったような気がします。
薫もまた思いを受け止めたわけですが……、でも、たぶん、言葉以上のものはないだろうなあ。朴念仁だし。

一方、魔族たちは、八百年ぶりに開かれた会議に集ったわけですが、ここであがった議題が、名を言えぬ『真紅の貴婦人』にかかわるものってことで、一気にキナ臭くなってくるから面白い。彼らは彼らで、権力争いみたいなものがありますからねぇ。
状況証拠を固めながら相手を打ち崩すかと思いきや、一歩手前で押さえ込んだ方が、一気に押し戻してきてと、先が見えない展開に、もどかしくも引きこまれました。

あとから考えると、人間側だけでなく魔族側も、とある人の手のひらで転がされてるって感じでしたね。いやはや、バラバラだったパーツがつながる事で復活する魔族の手腕に思わず拍手を送りたくなる。

いやあ、面白くなってきた。これからどうなる、どうする?

灼熱のエスクード2  LADY STARDUST (富士見ファンタジア文庫 132-8) - 貴子 潤一郎

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