Home > ライトノベル > [海冬レイジ] 幻想譚グリモアリス(1) されど魔刃の名のままに

[海冬レイジ] 幻想譚グリモアリス(1) されど魔刃の名のままに

「もう、忘れて」
……忘れる?
「忘れなさい。全部、忘れるの。そして、二人で、幸せに、今の生を生きて」

十代の少年少女が原因不明の昏睡状態に陥る事件が相次ぐ中、誓護の前に、教誨師なる少女が現れて……。咎人を煉獄へと送る教誨師(グリモアリス)として、地上へ降り立つ少女・アコニットと、彼女の手助けをする桃原グループの御曹司・誓護が繰り広げるファンタジーな事件簿の第四弾です。

これは面白かった。
誓護の記憶から、アコニットや教誨師のことが失われていて、しかもアコニットが始めての出会いのときのように、傲慢な態度で接してくるから、いったい何が起こったのかと、気になってしょうがない序盤でした。「眠り病」の謎についても、よりによって「ブツ」を手にしてるから、まさかと思いながらも、不安を呼び起こしてくれるし。
記憶が無くなるってのは、ほんと怖いよなあ。

教誨師やら謎の古書店員やら、軋軋が現れては、ちょっとしたヒントのようなものを置いていってくれるんだけど、見えそうで見ないから、何とももどかしいんだけど、そのヒントを元に、誓護が失われた記憶を補完していくから面白いんですよねぇ。

そして、アコニットが何に巻き込まれているかが見えてくるんですが、ずいぶん追い詰められているなあ。いったい何があって汚名を被せられたのかはわからないんですが、事態はすでに動いてて。誓護の記憶については、ほぼ予想通りでしたが、せめて巻き込まないようにと誓護を突き放そうとするアコニットの姿には、心痛むものがありました。まあ、それを簡単に受け入れるわけがないから、誓護は素敵なんだけど。

素敵といえば、軋軋が素敵でしたねぇ。誓護を認めながらも、主人としてのアコニットの意思を尊重して動き、下級官吏だからといって卑下することなく、誇りを持って行動する姿が、格好よすぎます!いやほんと、軋軋がいてくれてよかったと思いました。

いやあ、面白かった!せめて最後に一目だけでも。そう思える人がいるって素敵ですよね。

「貴方は、ばかだわ」

プライドの高い彼女の涙が、その言葉に込められた思いが、とてもよかったです。

これで誓護としても、本格的にグリモアリスたちの戦いに参戦することになってしまったわけですが、まあ、誓護の狡猾さとアコニットの力があれば、きっとなんとかなりますよね。
これからも、いのりを加えた三人の温かい雰囲気を期待してます。

幻想譚グリモアリスI  されど魔刃の名のままに- 海冬 レイジ

幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに
海冬 レイジ

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[海冬レイジ] [夜想譚グリモアリス感想一覧] [富士見ファンタジア文庫] [富士見ミステリー文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [海冬レイジ] 幻想譚グリモアリス(1) されど魔刃の名のままに

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2433
Listed below are links to weblogs that reference
[海冬レイジ] 幻想譚グリモアリス(1) されど魔刃の名のままに from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [海冬レイジ] 幻想譚グリモアリス(1) されど魔刃の名のままに

Search
お気に入り

わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想


心を閉ざした次期皇妃ファナと最貧民層に生まれた少年シャルルが飛ぶ一万二千キロの空の旅。

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)

お互いに少しずつ心を開いていく展開がとても素敵でした。温かさと切なさ溢れる描写だけでなく、手に汗にぎるドッグファイトも見逃せません。最高級のボーイ・ミーツ・ガールです。→感想


「女はなにも手にできない」という現実の中、貴族の少女マリアと侍女アッシャが上を目指そうとするお話です。

征服娘。 (集英社スーパーダッシュ文庫 (か12-1))

少女が世界を手に取るというお話が空想じゃなくリアルに見える。仲間を得て、経験から成長していく姿に魅力を感じますね。続きが待ち遠しくてなりません。→感想

なかのひと

Page Top