「それで何をするつもりなんだよ。目的が一緒とか、何言ってんだ?」
「何って、決まってるだろ。犯人を捕まえるんだよ」
「人体蒸発現象を起こしてる奴のね」
信者になれば神様が見えるようになり、さらに覚醒したものの中には、OA駆動という、まるで神の奇跡のような常軌を逸するような力を見せるものがいる。世界の宗教がオルト教に統一された世界で、いまだ未覚醒であることに焦りを覚えていた誠人が、自らに届けられた郵便物を手にしようとしたら、テロリストと各国の秘密組織の抗争に巻き込まれて……、というお話。
これはスピード感ある物語ですねぇ。
いわゆる平行世界の日本みたいなところが舞台なんですが、オルト教とかの話になると、ちょっと違うものも感じなくもない。それはともかく、過去の記憶のところとか、郵便物の話とか、序盤はちょっとギクシャクするものを感じたんですけど、テロと人体蒸発現象が連続し始めて、それをひょんなことから、誠人と頭脳のキレるルームメイトのレンが追い始めたら、俄然面白くなってくる。
誠人たちをテロリストと勘違いしたLCATの隊長が、逆に仲間の裏切りで追い詰められていくところとか、切り抜けるために誠人たちと手を組んでいくところとかが、素敵にサスペンスでした。
それでも、素人が玄人にかなうわけもなく。囚われの身となったことで、どう切り抜けていくのかと気になっていたんですが、まさか、そっち方面から話が飛んでくるとは思わなかった。これはつらかったなあ。ちょっと物分りよすぎるというか、最後に置き土産をたっぷりと置くところは、ちょっとアレでしたけど。
要所要所でキーになっていた過去の呪縛から解かれたところで、一気に力が解放されていくところとかのお約束には、ちょっとご都合よろしいのではと思わなくもなかったけど、妹への信頼が伝わってくる躊躇のない決断が印象的でした。そりゃ、どこか冷たい印象だった棗が、お兄ちゃん子になってしまうのもわかるなあ。彼女が一番可愛くなっててどうしてくれようかと思った。
異端審問やらのきな臭い動きやら、よりによってあいつも関わってたのか、みたいなラストでしたけど、ちょっと伏線があからさますぎかなあ。いや、それはそれで面白くはあるんだけど、もうちょっといろいろ引っ張ってくれたほうが、とも思わなくもなかったです。 読んでる間は面白いんだけど、感想書こうとすると、気になる点がいろいろ出てくるようなお話でした。
神聖のレジスタ1 リリーアの子どもたち
北山 大詩
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