「ルッセル。話してやってくれ」
「はい。事の起こりは、一年前の初夏のここと聞いてます。ただ、噂によればすべては七年前に起こった北国の侵略が原因だと言われてますが……」
男はゆっくりと語りだした。
反乱軍が生まれた、その経緯を。
貴族の暴虐を正すとして、若き指揮官ジェレイドと<風の戦乙女>が率いる反乱軍と、治めようとする王国軍の戦いを描いたお話の第三弾。今回は、反乱軍が生まれた経緯が描かれるお話です。
いやあ、面白かった!
アレスという脅威がいるのならば、排除するか、味方にするしかないということで、まずは自分たちの事情を知ってもらうべく、伝手を辿ってアレスと対峙しようとするんですから、線の細さとは裏腹に大胆だなあ、ジェレイド。
おかげで、なぜ彼らが立ち上がったのかという経緯を知ることができました。圧政に苦しんだ人たちが、もはや戻れない道のりを選んでいく姿は、いつの時代も重苦しいものです。
そんな中、反乱の小さな始まりを生んだジェレイドたちでしたが、いやあ、すごい。今まで武器を持ったこともない農民たちが、騎士たちと戦うんですから、困難な道のりは想像できましたが、時に囮役を買って、敵のプライドまでをも計算に入れて、卑怯といわれようと、姑息といわれようと、勝利をもぎ取っていくところに、彼の、彼らの覚悟を感じました。
人を戦場に送り届けるものとして、刃を握ったジェレイドの覚悟が忘れられないです。
もちろん、順風満帆というわけではなくて、途中で絶体絶命のピンチがあったりしたんですが、敵の中にもいい味出してる人がいて。まあ、そういう人と出会える運というのも、ジェレイドたちの強さのひとつですよね。<風の戦乙女>との出会いは、ちょっと都合よすぎる面があると思ったけど。
ただ、出会った直後から、彼女の力を存分に振るわせるところは、さすが知将と思わされました。
前作までとはことなり、片方だけのお話だったのに、だれることなく読まされてしまいました。出会うタイミングさえあえば、手を取り合うことができただろうに……とか思ってしまいましたが、ともあれ、それぞれの事情を抱えて、再び戦場で出会うことになりそうですね。
ジェレイド自身の爆弾もさることながら、アレスにも凶悪な手が伸びてきそうなので、軍の激突だけでなく、他の部分も面白くなりそうですね。続きがとても楽しみです。
火の国、風の国物語3 星火燎原
師走 トオル
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Comment:2
- ジャラル 2008-04-23 (水) 11:11
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今回は反乱軍の結成を書いたドラゴンマガジン連載分に、両雄会合の書き下ろし分を加えた内容です。ちなみに現在隔月刊になったドラマガでは、アレス側の物語(少年時代)が書かれていまして、それを読むと王女達が努力しているというのも理解できるのですが、バカ貴族とかを放置しているのは国王の責任じゃ?と思いますね。この国は兵役で一般人も戦争に動員するみたいですし。次巻が楽しみですね。あと、やはりパンドラの上司?「黄昏の主」はスレイヤーズの「L様」、デビルマンの「飛鳥了」と同一人物の、あの大魔王様なのかな?
- deltazulu 2008-05-05 (月) 15:53
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> ドラマガでは、アレス側の物語(少年時代)が書かれていまして、それを読むと王女達が努力しているというのも理解できる
それは読みたいですねぇ。今回の反乱軍結成物語のように、文庫になってくれるのが待ち遠しいです。
> あと、やはりパンドラの上司?「黄昏の主」はスレイヤーズの「L様」、デビルマンの「飛鳥了」と同一人物の、あの大魔王様なのかな?
このあたりは、まだヒントたりないかなあと思ってたりするんですが、どうなんでしょうね?





