「……だから、泣かないで、リュカ」
泣いて ― いるのか、俺は。ああ、そういえば、さっきからやけに、頬が冷たい。
「手の中にあるものを守りたいなら、それでいい。
手の中から滑り落ちてしまったものを悔やむなら、それでもいい。
けれど忘れないで。今のきみの手の中は、からっぽじゃないでしょう。
きみには、まだ、守れるものがあるはずでしょう?」
魔法書によって不死者となったものたちが、『ひとつめの嘘(ソルトレージュ)』 を求めるファンタジーの最終巻なんですが……、やばいぐらいジゼットが可愛いんですけど、どうしてくれよう。デレどころか、恋する乙女みたいに、顔を赤らめて素直に頷く姿とか、やばかったです。
笑顔でお迎え&エプロン姿で夕食の支度、さらには「そんなことされたら勘違いしちゃうだろ!」というリュカの情けない発言に対して、返した言葉に、悶えまくったのは内緒。
とまあ、平和な一面がありつつも、世界は少しずつ変化していて。そのあたりを感じながら、一体自分はどうすればいいのかと悩むリュカの姿は、気持ちがわかるだけに、もどかしいがありましたが、ここで彼の目を覚ませてくれた、アリスが素敵でした。好きな人への想いとは、ここまで強いんだなと思った次第です。
アルト老やアヴィンなど、ジゼットを思う人がいてくれるかと思ったら、リュカを思ってくれる人もたくさんいて。人の繋がりの温かさが、彼らの支えだったんだなと思いましたね。
それにしても、「魔女」をめぐる秘密には、驚かされました。ひとつひとつのピースがはまって、全貌が見えてくるところには、ある種の快感を覚えましたよ。
最後に合わさったピースに驚きを覚えながら、ひとつの物語を閉じたリュカのまっすぐな思いに、人への愛情を感じました。
いやあ、面白かったです。日常部分の長さとは裏腹に、魔法方面が短かったので、もうちょっと読みたかったところですが、最後にはきれいに終わってくれたので、満足満足。これから先、あの三人は、きっと、いつまでも一緒にいてくれるんじゃないかなと、そう思いました。
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