「それで、何のお話です?」
アーリアがルビーウルフに話の先を促した。ルビーウルフの意識がジェイドからアーリアに向き、彼女はええっと、と何を話そうとしていたのか思い出そうとする。
その隙に、ジェイドは退室した。だが、扉を閉める直前にルビーウルフの言葉が妙にはっきりと聞こえてきた。
―結婚を申し込まれた、と。
前作で大団円を迎えたルビーウルフの短編集です。オープニングの「思い出を紡ごう」で、子供を前に幸せいっぱいなルビーウルフが昔を思い浮かべて……というところから、以下の七編の物語が語られ、最後に「未来を歌うように」で、夫と子供を迎えて、という幸せさを見せてくれるお話でした。
- ルビーウルフが幽霊に取り付かれた?という「眠れぬ夏の夜」
- ある日突然ルビーウルフが淑女のように振舞い始めて……「淑女な遊戯」
- 妹のプレゼントを壊してしまったリオンとティグルが手を組む「兄弟戦線」
- 時計職人とルビーウルフの関係を嫉妬するジェイドが描かれる「時計職人の恋」
- 未婚の男女を結びつける行事「花飴選び」に参加する「君に捧げる永遠の花」
- 侍女の格好をしていたら、ルビーウルフがおつかいを頼まれてしまう「おつかいに行こう」
- ルビーウルフとジェイドが酒蔵に閉じ込められてしまう「いつか笑い話になったら」
以前の短編を読んだときも思ったけど、この人は短編の人なんじゃないかしら。ジェイドが嫉妬するところとか、ジェイドの発言にドギマギするルビーウルフとか、ほんと楽しい。
どの話も面白かったけど、個人的に一番好きなお話は「君に捧げる永遠の花」ですね。胸に飾った花を、目当ての男性に取ってもらえたら、恋人になれる。目当てでない人に取られてしまったら、口の中で溶けて消える飴を渡して、気持ちがないことを示す。そんな「花飴選び」に、ルビーウルフが参加させられるんですが、「毎年、女性に囲まれてる」なんて噂を聞いてしまったから、ついついジェイドの元へ行ってしまうあたりが、乙女心ですよねぇ。
まあ、そのあたり鈍いジェイドですけど、何気ない一日を過ごす二人の雰囲気がとてもよかった。
最後に彼女がしでかしたことが、よりによってとんでもない意味を持って……というところに気づいてしまった後のルビーウルフの慌てっぷりが、楽しかったです。ああ、もう意識しすぎだよ!
真っ赤になってるイラストがとても可愛い。
ジェイドのことが気になるといえば、「おつかいに行こう」でも、そういうシーンがあったなあ。町でジェイドが女性といるのを見つけてしまったら、思わず尾行してしまうんですからね。まったく素直じゃないんだから。
ただ、誤解が解ければ、そこはルビーウルフ。力を貸してほしいというジェイドの言葉に、引っ込み思案だった女性・ロゼに対して、ルビーウルフが背中を押したところがとても良かったです。こういう裁きをできるところが、王女気質なんだろうなあ。
ロゼが、意外な人と繋がりがあるところにも、思わずにやり。
いやあ、面白かった。最後に幸せな風景を見せてくれて、とても嬉しくなってしまいますね。できれば、他の国の様子とかも見たかったですけど、きっとそれぞれ幸せな家庭を築いてくれたと、そう思っています。
これで本当に最後になるのかな。とても寂しいですけど、次なるお話で出会えることを楽しみに待っていたいと思います。
紅牙のルビーウルフ7 君に捧げる永遠の花
淡路 帆希
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- 紅牙のルビーウルフ7 君に捧げる永遠の花 淡路帆希 富士見ファンタジア文庫 from ねれの巣 2008-05-10 (土) 00:13
- 本編が終了したルビーウルフの外伝であり、短編集です。ちょうど本編最後で出奔する王





