腰まで伸びるウィッグをつけて、着慣れないシュミューズを着て、青美女学院の制服を来た淡谷雪国は、双子の姉・舞姫と瓜二つだった。入れ替わって学校へ行くという双子の舞姫の提案を、雪国が思わず受け入れてしまったのは、姉の通う学校に、一目ぼれした少女・一駿河蜜ちゃんがいるからだ。ひょっとしたら彼女のことをもっといろいろ知ることが出来るかもしれないと、ドキドキしながら、青美女学院へと足を運んだら、そこには女の園の派閥が待ち構えていて……
淡谷家の双子・姉の舞姫と弟の雪国が、入れ替わって学校へ通いながら、自分を見つめなおしていくお話。
あー、楽しい。
好きな子に会えるかも、という思いで女学院へ通ったら、男の子には刺激が強すぎることばかりってところが、楽しいです。体育で一緒に着替えてドキドキというお約束もあれば、取れたボタンを付けてあげようとして(さりげなく裁縫得意)、手に柔らかいものがあたって、顔を真っ赤にしながら無心を念じる雪国が可愛くてしょうがない。
でも、そんな雪国の天然な優しさがとても素敵で、舞姫といがみ合っていた「胡蝶の宮」こと蝶間林典子との間に繋がりを持ったり、生徒会の人たちといい交流をもてたりするんだから、何が幸いするかわからないものです。
で、肝心の一目ぼれのお相手、蜜との出会い。これが良かったなあ。恋に恋してじゃないけれど、自分の期待と彼女の姿の差を感じて、勝手に幻滅した自分に落ち込んで、という雪国が、ちょっとしたきっかけから蜜と話をするようになってから、彼女のために一生懸命になっていく姿は、格好良かった。
またツン度が高い蜜も可愛くて、なるほど、護りたくなる気持ちがよくわかる。パクパクお弁当を食べるイラストは素敵でした。
ここだけじゃなくてイラストの可愛さは破壊力満点で、一番好きなのは、目次にある二頭身なイラスト。すんごい可愛いんですけど、どうしてくれよう。
一方の舞姫。雪国としてクールに動く様を見てると、逃げるかのように入れ替わりを提案したことが意外に思えますが、それだけ辛かったんだろうなあ。いつもと違う自分になって、逆に女の子にモテちゃうとか、大変というか、楽しいことになってたけど、そんな彼女が、SECなるクラブと関わりを持ってから、変わっていくところが、とてもよかった。
女学院とのギャップに唖然としつつ、偶然得た仲間とのやり取りから、自分がやりたいと思ったことは何だったのかを思い出して、自分を取り戻していく。素敵じゃないですか。
「かえりたい」
その言葉を告げた時の舞姫の思いは忘れられません。
いやあ、面白かった。
好きな人のために、仲間のために、どこまでもがんばっていく二人の姿が素敵でした。二人だけでなく、彼らの思いを支えてくれた友人たちも、とてもよかったです。彼らがいたからこそ、舞姫も雪国も、立ち止まることなく、走り抜けられたんだと、そう思います。
最後はハッピーエンド……かと思ったら、いや、ハッピーではあると思うんだけど、ちょっとズレが生まれてるっぽくて、まあ、このあたりは今後頑張ろうねと、雪国君の肩をポンポン叩いてあげたくなりました。
続きが楽しみでしょうがない。
SH@PPLE 1 (1)
竹岡 葉月
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