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[川口士] ライタークロイス 3

十二の氏族が一人の王の下に集って興ったとされる隣国インフェリアへ、皇女の従衛としてカインは足を踏み入れた。着慣れぬ儀式用の服や堅苦しい雰囲気に心落ち着かぬものがあったが、変装した皇女たちと共に、お忍びで城下を渡り歩いたときは、見慣れぬ食材や町並みにワクワクして楽しんでいた。そんなリラックスした気分が一変したのは、とある料理屋で、かつてカインの夢を奪った男、アリキーノを見かけたからで……

騎士を目指して帝都へきたものの、騎士試験を受けられなかった少年カインが、ひょんなことから皇女と知り合い、彼女の従衛となって、というシリーズの第三弾。今回は皇女や従衛たちと一緒に、隣国インフェリアへと向かった先で、騒動に巻き込まれたお話。

すっごい面白かった!

初めて他国へ行くという不安と、それ以上のワクワク感などを抱えながら、隣国へと向かうところには、いつもながらのユーモアあふれる人間関係を楽しんでたんですけど、かつてカインの受けた騎士試験を妨害した男・アリキーノを、インフェリアで見かけてからは、謀略ものの要素も生まれてきて、俄然面白くなってくる。

なんせアリキーノがインフェリアでも、名家中の名家、十二将の一人って言うんですから、うかつに手を出せない。確信を持ってるのが、カインだけなので、隣国との関係を考えるとなかなか動けないところに、もどかしい面白さが生まれてきます。
真っ直ぐ過ぎるところがあるカインを、皇女が抑えるという図も良くて、とても楽しい。

これだけでも十分面白いのに、ここからさらに熱い展開が待ち受けているんだからたまりません。

初めての魔物との戦いで、押し潰されそうな恐怖と、それを乗り越えようとする姿には、いかにもカインらしい真っ直ぐさを感じましたけど、魔物との力の差に心が折れそうになったとき、奮い立たせてくれたのが、アリキーノだったところには、痺れたなあ。
これが騎士を目指した十二将か。
憎むべき敵であることはわかっていても、その心の強さと誇りの高さに、心奮えるものがありました。すばらしい。ほんとすばらしい。

一巻は面白かったけど普通だよなあと思っていたら、二巻では登場人物たちの魅力が追加されて、さらに三巻では熱き心を呼び起こしてくれてと、巻を重ねるごとに、新たな魅力を見せてくれるシリーズですね。いやあ、面白かった!

カインの成長のみならず、一足先に騎士となったアヴァルの方も、少しずつ成長していってるみたいなので、この二人のライバル関係が、どうなっていくのかも、楽しみの一つですね。戦争の兆しも見えてきたし、さらには、魔物とライタークロイスについても興味深い謎が見えてきてと盛りだくさんなので、これからが本当に楽しみです。
超オススメ!

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