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[築地俊彦] まぶらほ 凛の巻

凛の本家である神城家は、九州地方では知る人ぞ知る退魔の家計である。凛自身は本家と関係が薄い。だが、本家筋の誰よりも退魔の際に優れていたため、本家のものは何かと仕事を押し付けてくる。今回はお祖父様からの紹介だったので、しぶしぶ引き受けたが、依頼主はなんと幼いころから凛が兄のように慕っていた萩谷智紀だった。何でも、自殺した女性の霊に取り付かれてしまったらしい。それだったら、わざわざ依頼という形を取らなくても……と思ったが、なんと智紀は、神城家も萩屋家も勘当されたとのことで……

  • なにやら秘密を抱えた智紀に憑いた霊を退治する遠州悪霊退治
  • 演劇部の要請に応じてしまった凛が、ハメられたことを知りながら舞台に上がり……剣豪少女演劇不始末
  • リーラが紹介したメイドのダリルの依頼は、仲間を切った日本人メイドの探索で……復讐血刀

副題どおり、凛を主役とした三編からなるお話です。

一編目は、凛の家の事情を踏まえつつ、魔の悪どさと力の抜ける事実とで、何ともまぶらほらしいですが……と思ったけど、二編目のほうがまぶらほらしいか。お金儲けのため、スキャンダルのためなら、クラスメイトだろうが、だまそうとする姿は、いっそ痛快です。
卑怯な様にコブシを奮わせながら、動くことができない状況に巻き込まれて、黄色い声援に包まれる凛の姿に思わずにやけてしまう。

ま、そのあたりは、どうでもよくて、そもそも読む予定のなかったまぶらほを買ったのは、リーラが出るという情報があったからです。ええ、それだけのために買いましたが何か?

凛が主役であり、ダリルという粗野なメイドがいたため、あまりリーラは目立ちませんでしたが、それでも要所要所で締めてくれる格好良さは、光ってました。っていうか出番としては少ないのに、凛よりもイラストの数が多かったりするのは、なぜでしょうね。

とまあ、リーラの姿もよかったけど、この話ではダリルが一番いい味出してました。
呪われた刀を手にしたことで、仲間殺しを働いたメイドのレイを捕まえるというお話なんですが、仲間殺しをした相手のことは許せない。だけど、レイももまた、共にすごしてきた仲間だというところで、葛藤するダリルの姿がやるせない。ただ、レイというメイドの本音に気づきながら、それでもなお友と呼ぶダリルの不器用さが、とても好きです。
やっぱMMMは最高だ。

まぶらほ 凛の巻 - 築地 俊彦

まぶらほ 凛の巻
築地 俊彦

富士見書房(文庫)
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