それに気づいたとき、この娘は一体どういう行動を取るのだろう?もし、シェクティがあの男の意志を継いだとしたら、果たして自分にそれを押さえることができるだろうか?
この少女とて、そうそういつまでも深く悩まぬ性格でい続ける訳ではあるまい。御子の生涯は古来、平穏には縁がないものと相場が決まっているのだから。
のべるのぶろぐの中の人からオススメされてお借りしました。
左眼と髪の毛が橙色のために、他の人から禁忌の目で見られ、妖術士たちには追われるはめになった少女シェクティ。自らの素性もわからぬ彼女は、しかし不思議な力を持つ剣と言葉を知っていて……雷神ズラドウラの力を要する少女シェクティの冒険ファンタジーです。
愛らしい外見とは裏腹に傷つきやすい心を持ってる女の子シェクティが繰り広げる出会いは、切ないものがあるなあ。それまで仲良くしていた人も、目を見たら……。女戦士族ラウニィとの、些細だけど、決定的なシーンは心痛むものがありました。
他人から拒絶されるぐらいならいっそのことと、強がって生きていく少女は逞しくもあり、痛々しいものもありましたが、そこへするりと入り込んできた吟遊詩人レマが、とても良かった。
噛みつかんばかりのシェクティを、のらりくらりとかわしながら、いつしか共に旅する仲になっていく展開が、とても楽しい。
さらには、そんなレマをこよなく愛するファリィの描写もニヤニヤさせられるものがあって、たまりません。しっかし、普段は平背獣であり、月下の下でのみ、本来の美しい姿を取り戻せる彼女は、何が原因でこうなったんだろう。
それだけじゃなく、レマの思わせぶりな言葉から、シェクティのことでありながら、彼女自身気づいてないことも、たくさんあるみたいだし、いろいろ気になるばかり。
元気な子猫みたいに気まぐれなシェクティですが、これから訪れるであろう数々の試練をどう乗り越えていくのか楽しみですね。
しっかし作り込まれた世界観だなあと、巻末の設定資料をみて感心する。
雷(いかづち)の娘シェクティ〈1〉天雷(あまがみ)の剣(つるぎ) (富士見ファンタジア文庫)
嵩峰 龍二
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