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[川口士] ライタークロイス 2

騎士になるため、帝都を訪れたカイン=パルスは、紆余曲折の末、結果として騎士にはなれなかったが、皇女ファリアの従衛となり、翌年の騎士登用試験を臨むことになった。
現役の従衛の手ほどき、変わり者の老人の発明など、刺激的な毎日を送っていたが、ある日、皇女のファリア隣国へと赴く任務を請け負い、従衛として、カインとレイクもついていくことになったが……

騎士を目指して帝都へきたものの、騎士試験を受けられなかった少年カインが、ひょんなことから皇女と知り合い、彼女の従衛となって、というお話。

あーもう笑った笑った。なんとユーモア溢れる人たちなんだろう。嫌味の応酬やら陰険漫才やら、キャラ同士の掛け合いが最高に面白かった。ニヤニヤどころか、幾度となく吹きだしてしまったおかげで、怪しい人に思われたかもしれない。

中でも面白かったのは、アヴァルの行動ですね。カインを相手にしてるときは、情けなさばっかり目につくのに、騎士の中に入ると、結構いい男なんだよなあ。若造らしい生意気さとかあったりするんだけど、忠告とかは素直に聞くし、今の実力はともあれ、今後の成長株なんじゃないかしら。

ただまあ、仲間には恵まれないわけじゃないんだけど、ちょっとクセありすぎてアレだったり、好きな人には即答で断られたりして(しかも実りそうにない)、人間関係はちょっと可哀想かもしれない。いや、頑張って欲しいモノです。影で(笑いながら)応援してます。

そのアヴァルの恋する相手のイングリッドさんが、とても素敵で。さりげなく見せる好意とか、好きな人の言葉を胸に抱くような思いとか、ついには嫉妬まで見せてくれちゃって、クーとなりました。

カインに好意を持つ人は、他にもいるので、三角関係……どころじゃないか、相関図というか好感図みたいなものを作りたくなるぐらいいろいろある人間関係が、今後どういう発展を見せてくれるのか楽しみ。
ちなみに、一番笑えたのは、レイクの婚約者が「リリエル」と呼ばれてること。レイクの将来を思うと涙が出る。

って、キャラ話しかしてないけど、本編はそれほど進んでないといってもいいかな。従衛となって日々修行を続けるカインとレイクと、カインをライバル視するアヴァルが騎士として勤め始めるのと……あと、他国での動きがちょろっと見えるぐらい。
最後の方に、カインたちを連れたファリアが隣国へと向かうところで、一騒動が始まるんだけど、これは大きな火種の元になりそうですね。

いやあ、面白かった。まだ大枠が見えてきたってぐらいの話なのに、これほど引き込まれるとは思いませんでしたよ。物語の展開もさることながら、成長しながらも未熟なカインのために、最後の一手を打ったファリアの優しさが素敵でした。普段だらしないところを見せていても、こういうときは、上に立つ人だよなあと惚れ惚れします。イングリッドもいいけど、ファリアもなかなかだなあ。

この人間関係がどうなっていくのかは、他国との動きと同様、気になりますね。続きがとても楽しみです。

ライタークロイス 2 (2) (富士見ファンタジア文庫 170-3) - 川口 士

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Comment:2

ジャラル 2007-12-30 (日) 13:59

私もこの小説のキモはキャラクター同士の掛け合いだと思います。特に今回はカラー口絵にもなっている皇女とメイドの対決シーンで、「コイツは敵だ」で終わる所が、主人公の前途多難を示しているようで・・・。
あとメイドさんが言っていた昔好きだったお婆さんは、ドラゴンマガジンに短期連載していた短編に出てきたお婆さんだと思います。カインが帝l都に来る前の話で、1つの事件を3人のキャラクターの視点から見る話で、そのうちの一人がイングリッドさんです。良い話なので(事件は極めて現代的)、文庫本にするのは分量が不足だと思うので、書き下ろし加えて外伝で出してほしいですが・・・。

deltazulu 2007-12-31 (月) 21:01

> 皇女とメイドの対決シーン

このシーンは良かったですよねぇ。ニヤニヤしっぱなしでした。

> あとメイドさんが言っていた昔好きだったお婆さんは、
> ドラゴンマガジンに短期連載していた短編に出てきたお婆さん

あ、そうなんだ。
川口さん短編は読んだことがないですが、面白そうですね。早いところ、本になってくれないかなあ。

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