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[細音啓] 踊る世界、イヴの調律 黄昏色の詠使い 4

灰色名詠の襲来で、原因不明の高熱により昏倒したクルーエルを心配していたネイトは、休み明けの学校で、いつもと変わらぬクルーエルをみて安心した。だが、逃亡した灰色名詠の使い手は未だ捕まっていない。不安を覚える中、再びクルーエルが倒れて……

母から夜色名詠を受け継いだネイトと、目標が見つからないクルーエルが、名詠式を通じて成長していくお話の第四弾。今回は、以前続くクルーエルの不調の原因が明かされるお話です。

いやあ、面白かった。今までよりもクルーエルの出番が減りましたが、存在感の大きさは相変わらずです。せめてネイトには心配をかけまいと、自身の不調を隠す姿に、どれほどの思いを感じた事か。時折見せるネイトへの冗談は、本気度も高いんだろうなあ。

そのネイトが、今回素晴らしかったですね。今までもクルーエルを大切な人としていましたが、彼女のために頑張る姿を、ここまで見せてくれるとは思いませんでしたよ。知恵を絞り、力を絞り、強大な敵に立ち向かう姿に、グッとさせられるばかり。そこには、純粋な思いの美しさがありましたね。決して一方通行でない、思い合う雰囲気が素敵です。
まだ、恋心とまではいってないかもしれませんが、クルーエルの隣にいるのは自分でありたいという思いを叶えるために、頑張れ男の子。

クルーエルとネイトの関係もさることながら、興味深いのは、クルーエルの不調の原因が見えてくるところですね。始まりの女、刃剥く者、浸透者などなど、次から次へと新たなモノが見えてくるものの、つながりが見えそうで見ないので、ゾクゾクしながら引き込まれました。ああ、面白い。

そんな中、熱いところを見せてくれたのが、二人のご老体であったところが素敵すぎです。力を使いきり、倒れそうになっても、背中を預けられる人がいるという力強さに、なんと素敵なライバル関係なんだろうと、涙が出そうになりましたよ。こういうじいちゃんになりたいもんです。

「空白」については、多くのものが見えてきた気がしますが、まだまだ隠されたもののほうが多いですよね。中でも、シャオはいったい何者なのか気になる……と思ってたら、まさか「緋色の背約者」がここまでの動きをしているとは思いもよらず。ネイトを執拗なまでに否定する姿には、腑に落ちないものがありますが、「全てが集う場所」でどういうことが明かされるんでしょうか。
どうやら次の巻でこのエピソードに区切りがつくらしいので、楽しみですね。

踊る世界、イヴの調律 (富士見ファンタジア文庫 174-4 黄昏色の詠使い 4) - 細音 啓

踊る世界、イヴの調律 (富士見ファンタジア文庫 174-4 黄昏色の詠使い 4)
細音 啓

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