王国の中で、魔法使いは、自問した。なぜ自分はここにいるのだろうと。王の言葉に、自分の気持ちに迷いを持ちながら、騎士を迎え撃とうとする魔法使い。そして、その魔法使いがいる塔に、梓たちは足を踏み入れた。景を取り戻すために、誰より信頼出来る友人を連れて……
景を取り戻すために、梓たちが「王国」へと赴く、Dクラッカーズ最終章です。
今までは、如何にして景を取り戻すのかと梓の立場で物語を読んでいたんですが、始まりであり幕間である女王の心情が見えたところで、何ともやるせない思いになりました。彼女とて景を思って行動しているんだよなあと、しんみりした始まりでしたが、物語が動いてからは、熱い展開でした。まさか、いきなりベリアルが出てくるとは思いもよらず。
悪魔戦では、どう足掻いても勝ち目がないのは目に見えていましたが、その圧倒的な力を前に、よくぞ頑張った水原。表向きヘラヘラと軽さを見せていましたが、仲間を思う気持ちは、梓や千絵たちに負けてませんでしたね。
それでもきつい戦いであったことに変わりは無いんですが、ここでDDが出てきてくれるからやってくれる。茜の策とDDの戦闘力で立ち向かう展開には、熱いものを感じましたが、それ以上に燃えたのが、黒い鮫の登場でした。
茜との再会シーンでは、ちょっとグッとなりましたが、そんな思いすら吹き飛ばす甲斐のムチャクチャっぷりが素敵。
一方、力ではなく舌戦によって立ち向かった千絵と梓がまた凄かった。水原兄、バール、そして女王を前にして、一歩として退かず、前を向きつづけた姿に、心奮えるばかりです。己の信念や愛する人への思いがぶつかり合う様は、言葉のやり取りとは思えないほどの迫力がありました。ああ、思い出すだけでも鳥肌モン。
景が過去と立ち向かうことで、王国の崩壊へと結びつく展開がとてもきれいでした。
最後がまた素敵なんですよ。
ひたすら会話が続くところでは、景と話ができる梓の嬉しさが伝わってきて、戸惑いながらも段々と調子を取り戻す景がの様子が見えて、そして最後……
「君が、目を閉じろ」
ニヤリとさせられる。
甲斐と茜の結末は、くもありますね。どうやら、来月になる新作が待ち受けているらしくて、本編の「直前」と「その後」についてのお話しになるそうです。
いやあ、ほんと面白かった。ストーリーテラーとはまさにこの人のことを言うんでしょうね。超オススメです。
富士見ミステリー文庫のときは、ここで終わったらしいですが、富士見ファンタジア版では、もう一冊「Dクラッカーズ+プラス」が出るんだそうです。本編の「直前」と「その後」の物語だとか。主要キャラは総出演てことなので、淋しくもあのふたりらしい結末を迎えた甲斐と茜のその後があってくれたらいいなあ。ああ、楽しみ。
Dクラッカーズ 7 (7)
あざの 耕平
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Comment:3
- しーぷ 2007-11-22 (木) 19:28
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パールじゃなくて、バールですね。元ネタはソロモン王の悪魔の一柱です。エロイムエッサイム。
- しーぷ 2007-11-22 (木) 19:32
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しまった。はじめましてのあいさつを忘れてしまいました(苦笑)。いつも楽しく読ませていただいてます。
- deltazulu 2007-11-22 (木) 20:46
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はじめまして、しーぶさん。
> パールじゃなくて、バールですね。
ずっとパールだと思ってました…orz
ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。
これからもよろしくお願いします。





