Home > ライトノベル > [あざの耕平] DクラッカーズⅥ 王国―the limited world―

[あざの耕平] DクラッカーズⅥ 王国―the limited world―

行けばもう会えない。もう二度と。共に戦った戦友にも。笑い合った仲間にも。思いを告げた人にも。もう二度と会うことは叶わない。だが、行くしかない。そしてウィザードは王国へと向かい、梓たちは、物部景のことを忘れていった。ただひとり、物部景を忘れず、彼の居場所を求めて動く千絵だが、彼女の必死な行動を理解できない梓たちは、日に日に千絵との間に距離を感じて……

「王国」へと足を踏み入れ、女王へと仕え始めた景と、彼のことを忘れていく梓たちを描いたお話です。

まさかここまでとは……。景が王国へと足を踏み入れたらどうなるかなんてことは、予想していたはずなのに、梓が覚えていないということが、これほど胸に響くとは思いませんでした。ウィンドブレーカーや録音テープがあれば、という甘い期待すら打ち砕くなんて……。

景のことを覚えているのが千絵だけというところが、また辛かった。彼女の必死さは、わかる。わかるだけに、誰一人共感してもらえないもどかしさに、親友たちとの間に走る亀裂の深さに、心苦しいものを覚えました。

それでも、覚えているのが千絵でよかったと心から思う。梓だったら景への思いは強くとも、きっと手立てが無くなり、折れてしまっただろうから。
ひとりでも、危険であっても、仲間のために、親友のために、諦めなかった彼女の姿に、挫けず前を向き続けた彼女の思いに、涙が止まらない。

そんな彼女の思いが、王国の扉を開いて……という展開には、鳥肌が立ってしょうがなかった。相手のことを覚えてなくとも、心の奥に震えるものがあるなんて……、読んでるこっちまで震えてくる。

DDが、茜が、ビーグルが、そして水原が。

大切な人を忘れたことで、気力すら萎えていた人たちが、仲間を取り戻すために、手を取り合って戦う姿が、すばらしく熱かったです。ああ、もう最高!しかも、これだけの盛り上がりを見せておきながら、まだ前編だっていうんだから、たまりません。

次なる巻でどういう展開が待ち受けているのか大いに楽しみですね。

Dクラッカーズ 6 (6) - あざの 耕平

Dクラッカーズ 6 (6)
あざの 耕平

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[あざの耕平] [Dクラッカーズシリーズ感想一覧] [富士見ファンタジア文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [あざの耕平] DクラッカーズⅥ 王国―the limited world―

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2075
Listed below are links to weblogs that reference
[あざの耕平] DクラッカーズⅥ 王国―the limited world― from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [あざの耕平] DクラッカーズⅥ 王国―the limited world―

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top