Home > ライトノベル > [あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌―

[あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌―

特区が『九龍の血統』の襲撃によって陥落してから、二十四時間が経過したときの世界情勢を一言で言うならば「パニック」に尽きる。後に『特区インパクト』と呼ばれる出来事は、悲劇でありながら、十一年前の『九龍ショック』を思わせながらも決定的に異なる点があった。『ショック』ではなく『インパクト』と呼ばれる原因となった女性は、十字軍の本部が置かれているシンガポールへと足を踏み入れて……

待ちに待った第三部。ついに始まりましたね。『九龍の血統』に奪われた特区を奪回すべく、ミミコやカンパニーが新天地で動き始めて、というお話です。まだまだ序盤というか、反撃前の準備段階という感じで、大きな波を感じるものの、戦い等はないため、派手さはないんですが、それでも、読んでて鳥肌が立つことが何度あったことか。やっぱ、すげえよ、この人。

新生カンパニーのために、尾根崎とか神父が持ち出した案というのは、これ以上ないものですが、責任を負う立場となるミミコからすると、きついものがありますよね。自身の役目をわかっていても、押しつぶされそうになる気持ちが伝わってきます。あの二人がいてくれたら、まだ頑張れたんでしょうけれど……。
「約束」のこともあって何かしたいという気持ちはあれど、ジローはアリスのものだという意識が頭に浮かんでしまったが故に、動きが鈍くなっていくところは、何とも言えないものがありました。

肝心のジローは血の暴走を抑えるために必死で、あまり目立ったことはありませんでしたが、出番はあまりなくとも印象的だったのはケインですね。まさか、それほどの決意を持っていたとは……。若き身でありながら、偉大なる「北の黒姫」が動くほどの覚悟に、心奮えるものがあります。でも、悲しい結末が待ってそうで……。

いろいろなところで、いろんな人たちが動いているので、気になる人をあげていったらキリがないんですが、一番気になるのは、サユカのところかな。スーツではなくジャージでいるところに、彼女の愛とちょっとした歪みを感じるんですが、それでもミミコと共にいた時間を忘れてはいませんでしたね。態度はどうあれ、弱きもののために、力を振るう姿に、まだ大丈夫だと思えました。

そんな彼女が、バウワウ卿と行動を共にすることになるとは思いませんでしたが……っていうか、なんであんたそこにいるんですか!と思わずツッコミたくなったのは僕だけじゃないはず。
ともあれ、かつての二大巨頭を継いだあのふたりが、特区の中にいる。これだけで、ワクワクさせられますね。がんばれ、サユカ。

とまあ、いろいろありながらも、どこか淡々と続いていたお話が、盛り上がってきたのは、ミミコが不安から立ち直るきっかけとなった出来事からですね。ジローの言葉に、コタロウの言葉に、三人でつないだ手に、彼女の原点があることがわかります。
大きなプレッシャーから不安定だった彼女でしたが、立ち直ってからの一歩も引かない姿が、恐ろしいほど格好良かったです。『豪王』への態度もさることながら、世界中へ呼びかけた言葉に、涙が浮かんでしまいました。

いやあ、すばらしい。文句なしで大絶賛。
カンパニーが反撃のために、着々と準備を進めていますが、『九龍の血統』とてそうやすやすと奪還させるわけないでしょうから、いろいろ手を打ってることでしょう。これから大いなる波乱が待ち受けていることは、想像に難くないだけに、続きが楽しみですね。あー、待ちきれない!

BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8) (富士見ファンタジア文庫) - あざの 耕平

BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8)
あざの 耕平

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[あざの耕平] [富士見ファンタジア文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌―

Trackback:2

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2005
Listed below are links to weblogs that reference
[あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌― from booklines.net
[書評][あざの耕平][BLACK BLOOD BROTHERS][アクション][魔物/妖怪][シリアス][★★★★★]BLACK BLOOD BROTHERS(8) from いつも感想中 2007-10-22 (月) 20:14
BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8) (富士見ファンタジア文庫) 作者: あざの耕平 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2007...
[ラノベ]Black blood brothers 8 from 愛があるから辛口批評! 2007-10-27 (土) 07:37
BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8) (富士見ファンタジア文庫 96-13) 作者: あざの耕平 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS 8 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌―

Search
お気に入り

左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!下巻が今から楽しみです。超オススメ!→上巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top