バーゲンセール。その言葉は、古今東西、女性たちを惹きつけて止まぬものらしい。月村真由が二ノ宮峻護を連れて、向かった近所の大手スーパーでは、まさに今日からバーゲンセールが始まろうとしていた。だが、一歩足を踏み入れたときから、峻護は自分が場違いであることに気づいた。そこには主婦の戦士が待ち受けていて、さらに今回の特売には、このあたりで最強を謳われる特売マスター、クイーンまでも参戦してきて……
という「真由、愛に目覚めるのこと」を含む七編からなる短編集。
思いっきりかるーい感じのお話で、さくさく読めるんですが、思ったよりも面白くなかったのは、真由があまりにもおバカな人として書かれてたからかしら。どれもこれも、真由が繰り広げる世間知らずというレベルをはるかに超えたボケが原因の騒動に、峻護が巻き込まれるというワンパターンなお話だったもんなあ。っていうか、麗華が出てこない時点で、僕には物足りなすぎるのです。
そんな中、面白かったのは「真由、プレゼントをするのこと」と「麗華と真由、奮戦するのこと」かな。
「真由、プレゼントをするのこと」は、今まで散々お世話になっている峻護に、感謝の意を込めて、何かプレゼントしようと思ったけれど、無趣味で物持ちがいい峻護に贈る物が思い浮かばず、ならばいっそ……と、あの手この手で、プレゼントを贈る前準備に奮闘する真由のお話。真由の奮闘の空回りっぷりもいいけれど、峻護の物持ちの良さが異常なのが面白いです。特に大切にしてる鍋との思い出話に大笑い。
唯一、麗華が登場する「麗華と真由、奮戦するのこと」は、生まれたばかりのお子さまの面倒を見る麗華と真由のお話。はじめは、テンパってたのに、だんだんと子供に慣れていく真由と、逆に子供から距離をとろうとする麗華の対比がいいですね。ま、麗華の心情については、お約束なんですが、だがそれがいい。別れが訪れたときの寂しさと共に吐き出した言葉が印象深かったです。オチがあれなんで、感動薄れちゃうのが残念ですけど。
何気に楽しんでるところもあるんですが、面白いって程でもなかったので、今後このシリーズは、長編だけでいいかも。
おあいにくさま二ノ宮くん (2)
鈴木 大輔
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