Home > ライトノベル > [細音啓] アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使い 3

[細音啓] アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使い 3

孵石暴走事件、そして先日の研究所襲撃事件と不審な事件が相次いでいる。折りしも、今のトレミア・アカデミーには、異端の夜色名詠者と名詠式に異常な才覚を現したものがいる。これは果たして偶然なのか?それらに纏わる不審現象を調べるために、カインツも所属している世界で十一人しかいない<イ短調>のメンバーが立ち上がったが、不審者は既にトレミア・アカデミーへ手を伸ばしていて……

いやあ、面白かった。今までも、たまに突拍子もないことをしてくれていたクルーエルが、名詠式でかなり高度なことを無意識なうちにやっているというところは驚きでしたが、意外な才覚を見せ始めたクルーエルと、同じ場所に異端の夜色名詠のネイトがいて、そこへさらに灰色名詠が絡んでくるんですから、面白くないわけがない。

しかも、<イ短調>なる人たちが出てきてくれたおかげで、今まで謎であったことが明かされてきたり、さらに謎めいたことがでてきたりと、大きく物語が動いてきましたね。

ちなみに、今回<イ短調>から派遣されてきたサリナルヴァは、かなりお気に入り。研究のためなら寝食惜しまない熱意と、傲慢に見せかけておきながら、時折見せる優しさにやられます。こういう姉御肌(っていうのかしら)な女性にやられてしまう僕がいる。

それはともかく、敵対する灰色名詠の思惑が見えないまま、アカデミー内に進入を許したことで、一気にサスペンスフルな展開になってくれて、もうドキドキでしたよ。最も力の弱いものが、最も危険なところに近寄ってしまうというのはお約束ですが、灰色名詠という圧倒的攻撃力を持つ相手を目の前にして、体も心も震わせながら、それでも友を、仲間を信じるミオの姿が良かったです。やばい、ミオが好きになってきたぞ(別にやばくない)。

今回最も意表を突かれたのは、クルーエルを襲った出来事ですね。強さと言う意味では、かなりのものを名詠できるだけに、まさか足を引っ張る(というと言葉悪いけど)とは思わなかったです。

そんなクルーエルの姿を見て、動揺しながらも、彼女の言葉を聴いて、自分の心に湧き上がる思いを糧に、ネイトが一歩前へ出ようと決意するところが良かったです。二人の関係が、守りたい大切な人から、信頼の置ける大切な人へと、変わっていくところが素敵でした。むろん、二人の間を取り持ったミオの活躍も忘れちゃいけないですよね。

ひとまず危険は回避されましたが、灰色名詠だけでなく、更なる展開も待ち受けているみたいだなあ。いろいろ見えてきたものもありますが、まだまだ明かされていないことも多いので、これからどうなっていくのか、ものすごく楽しみです。

それにしても、クルーエルとネイトの最後はすごかった。今回の件を経て、信頼という絆が深まったことによる甘えなんだろうなと思うと、ニヤニヤさせられますが、純粋な男の子に何てことを言うんですか!ああ、もう、きゅんきゅんしまくりです。やっぱ、このふたりの関係、大好き。

アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3) - 細音 啓

アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3)
細音 啓

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[細音啓] [黄昏色の詠使いシリーズ感想一覧] [富士見ファンタジア文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [細音啓] アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使い 3

Trackback:6

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1797
Listed below are links to weblogs that reference
[細音啓] アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使い 3 from booklines.net
黄昏色の詠使い(3) from Alles ist im Wandel 2007-07-23 (月) 02:47
アマデウスの詩、謳え敗者の王posted with 簡単リンクくん at 2007. 7.23細音 啓著 / 竹岡美穂画富士見書房 (2007.7)通常2...
『アマデウスの詩、謳え敗者の王』 from ある休日のティータイム 2007-07-23 (月) 21:45
アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3) 作者: 細音 啓 出版社/メーカー: 富士見書房 発...
アマデウスの詩、謳え敗者の王 from 読了本棚 2007-07-30 (月) 20:41
トレミア・アカデミーに不審者が侵入した。先日の研究所襲撃事件の時と同様に校内の人を石化する……という事態。灰色名詠の使い手は自らを「名も無き敗者」と称し、...
アマデウスの詩、謳え敗者の王/細音啓 from ラノベ365日 2007-08-10 (金) 03:48
アマデウスの詩、謳え敗者の王細音 啓 富士見書房 2007-07by G-Tools 【各地の研究機関を次々と襲撃する謎の灰色名詠の使い手。そしてその恐...
アマデウスの詩、謳え敗者の王 from MOMENTS 2007-08-14 (火) 18:18
トレミアアカデミーに迫る謎の灰色名詠使い 異端の集うその場所の中心に立つのはネイト? それとも…… 各地の研究所が謎の灰色名詠使いに襲撃される事件が...
[書評][細音啓][黄昏色の詠使いシリーズ][神秘/奇跡/魔法][アクション][★★★]黄昏色の詠使い(3) アマデウスの詩、謳え敗者の王 from いつも感想中 2007-08-23 (木) 23:56
アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3) 作者: 細音啓 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 20...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [細音啓] アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使い 3

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top