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[瀬尾つかさ] クジラのソラ 03

あと三回。たった三回勝てばいい。だが、冬湖の様子がいつもと違う。まだ大丈夫なはず。そう思いながらも雫には不安だった。それはくじら憑きの前兆に似ていたから。
さらに「ジュライ」の次の対戦相手である「アギーラ」の試合の映像を見たとき、冬湖は唖然として声を漏らした。お父さん、お母さんと……。

一チーム三人のプレイヤで 256隻の艦隊を操り戦う戦略「ゲーム」でトップを狙う三人の少女の物語の第三弾ですが、初めから不安を煽るようなことばかりで、「ゲーム」ではない方向に盛り上がっていきましたね。

「ゼイ」のもとへいったものは二度と戻ってこないはずなのに、冬湖の両親らしき人たちが「ゲーム」に参加しているという陰謀めいたものに加えて、冬湖がアウターシンガーのさらに一段階上に登って、あちらに行ってしまうのではないかという不安にはドキドキです。

雫のことも聖一のことも気に入っているのに、冬湖が自分から進んでいく様子には、なぜと疑問に思いましたが、両親との話を読んでいると、止まれないのはわかります。目の前にいながら、置いていかれる思いを子供のころに経験したら、次の機会には離したくないですよね。例え「ゲーム」では天性のセンスを持ち、アウターシンガーとしての力があろうとも、心の傷は癒せないところは、何とも心苦しい限り。

そんな冬湖を守りたいと思っていた雫だっただけに、解き放たれてしまったことを知った悲しみは、耐え難いものがあったでしょうね。いや、言葉に出さないで、冷静たろうとした聖一の方が衝撃は大きかったかもしれません。
絶望的な状況で、それでも、決して諦めずにひたすら可能性を模索する姿に、仲間を失いたくないという気持ちが伝わってきました。みんなが自分のできる事をやっていくところが、ほんと良かったです。

一番しびれたのは、自分たちの命どころか、人類全体の命運をかけた最後の戦いですね。自分の力が及ばないことを知っていながら、それでも、勝とうとする意志の強さと、力を合わせて戦う姿、最後にピタっとハマすごさに感動です。いやあ、いいです。やっぱこのシリーズ大好き。

「ゼイ」についてもいくつか推測だってきましたし、これからどうなるのか楽しみだなあと思ってたら、最後が……。悲しい思いで、胸がいっぱい。
次がラストなのかどうかわかりませんが、これから彼女たちがどの道を選んでいくのか、見守っていきたいですね。

クジラのソラ 3 (3) - 瀬尾 つかさ

クジラのソラ 3 (3)
瀬尾 つかさ

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