あと三回。たった三回勝てばいい。だが、冬湖の様子がいつもと違う。まだ大丈夫なはず。そう思いながらも雫には不安だった。それはくじら憑きの前兆に似ていたから。
さらに「ジュライ」の次の対戦相手である「アギーラ」の試合の映像を見たとき、冬湖は唖然として声を漏らした。お父さん、お母さんと……。
一チーム三人のプレイヤで 256隻の艦隊を操り戦う戦略「ゲーム」でトップを狙う三人の少女の物語の第三弾ですが、初めから不安を煽るようなことばかりで、「ゲーム」ではない方向に盛り上がっていきましたね。
「ゼイ」のもとへいったものは二度と戻ってこないはずなのに、冬湖の両親らしき人たちが「ゲーム」に参加しているという陰謀めいたものに加えて、冬湖がアウターシンガーのさらに一段階上に登って、あちらに行ってしまうのではないかという不安にはドキドキです。
雫のことも聖一のことも気に入っているのに、冬湖が自分から進んでいく様子には、なぜと疑問に思いましたが、両親との話を読んでいると、止まれないのはわかります。目の前にいながら、置いていかれる思いを子供のころに経験したら、次の機会には離したくないですよね。例え「ゲーム」では天性のセンスを持ち、アウターシンガーとしての力があろうとも、心の傷は癒せないところは、何とも心苦しい限り。
そんな冬湖を守りたいと思っていた雫だっただけに、解き放たれてしまったことを知った悲しみは、耐え難いものがあったでしょうね。いや、言葉に出さないで、冷静たろうとした聖一の方が衝撃は大きかったかもしれません。
絶望的な状況で、それでも、決して諦めずにひたすら可能性を模索する姿に、仲間を失いたくないという気持ちが伝わってきました。みんなが自分のできる事をやっていくところが、ほんと良かったです。
一番しびれたのは、自分たちの命どころか、人類全体の命運をかけた最後の戦いですね。自分の力が及ばないことを知っていながら、それでも、勝とうとする意志の強さと、力を合わせて戦う姿、最後にピタっとハマすごさに感動です。いやあ、いいです。やっぱこのシリーズ大好き。
「ゼイ」についてもいくつか推測だってきましたし、これからどうなるのか楽しみだなあと思ってたら、最後が……。悲しい思いで、胸がいっぱい。
次がラストなのかどうかわかりませんが、これから彼女たちがどの道を選んでいくのか、見守っていきたいですね。
クジラのソラ 3 (3)
瀬尾 つかさ
関連エントリー
[瀬尾つかさ]
[クジラのソラ感想一覧]
[富士見ファンタジア文庫]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > [瀬尾つかさ] クジラのソラ 03
Trackback:4
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1649
- Listed below are links to weblogs that reference
- [瀬尾つかさ] クジラのソラ 03 from booklines.net
- クジラのソラ 03 from MOMENTS 2007-05-23 (水) 22:32
- WG準決勝開幕 錯綜する思惑を背に〈ジュライ〉に立ちはだかる最大最強の敵 そして…… 冬湖の第2段階アウトシンガーとしての覚醒を経て、雫率いる〈ジュラ...
- クジラのソラ 3のレビューらしき紹介 from タカヒナの乱雑日記 2007-06-08 (金) 23:28
- 今回の話では、ワールドグランプリの準決勝、決勝の話になんですが、実質アウターシンガーの話ですね。 アウターシンガーが秘めている可能性。 一...
- [感想][★★☆☆☆][瀬尾つかさ]「クジラのソラ 03」 from ただ、それじゃ終われないでしょ! 2007-06-12 (火) 21:29
- 「冬湖。わたしはね。冬湖と一緒に戦ってきて、幸せだったよ」 「え、えと?」 「ねえ、聴いて。わたしは、あなたと約束したよ。一緒に戦うって、そう誓い合った...
- クジラのソラ(3) from Alles ist im Wandel 2007-06-13 (水) 02:50
- クジラのソラ 03posted with 簡単リンクくん at 2007. 6.13瀬尾 つかさ著富士見書房 (2007.5)通常24時間以内に発送します...











