神無鈴音にとって片思いの相手。ユウにとってのパートナー。陽慈にとっての親友。綾にとっての幼馴染。傘にとっての大切な兄。そして、紗鳥にとっての後輩である式見蛍が死んだ。ふとした拍子に後輩を思い出し涙する紗鳥は、寂しさを紛らわすために拾った黒猫を飼うことにした。
だが、タナトスは次なる手を打ってきた。全世界に向けて、メッセージを告げてきたのだ。皆さん、自殺してください、と……。
蛍が死んで、みんなが悲しみに浸る中、タナトスが新たに仕掛けてきて、という最終巻です。なんていうか、このコミカルなシリーズで、こんなに重苦しい雰囲気に包まれるとは思いませんでした。普段、無駄に(といったら何ですが)陽気な連中だけに、空元気を発してるところとか、見ていると辛くなります。
深螺側の話は、比較的早く想像ついて、予想通りな感じでしたね。そこからは、わりといつもの雰囲気になったので楽しめました。やっぱり、会話のツッコミセンスは、ツボです。悲しいときでも勢いに乗せるものがありますね。
蛍がいろいろあって、とりあえずこちらにいるんですが、最後の戦いに赴く前の各人との最後の一日の過ごし方が、個人的には良かったです。
誰が選ばれるかなんてことは、表紙を見た瞬間にわかってしまうので、ネタバレでいきますが、一番印象に残ってるのは、先輩とのやり取りですね。お互い思いあいながら、最後まで手を取り合うことがなかったというのは、何とも皮肉というか、切ないものがありますが、それでも、このふたりが出会えたからこそ、今の仲間がいるんだなと思えるところが、たまらなく良かったです。なんで、これで先輩を選ばない……バカ。
「帰宅部」の人たちの繰り広げる雰囲気やとてもよかったせいか、逆に最後の戦いなどが、妙に長く感じてしまったんですが(戦いよりも普通の話のほうがテンポがいいって不思議)、きれいに物語を終わらせてくれましたね。
最後まで同じノリで、でもちょっと切なくさせてくれる描写が素敵でした。
いやあ、面白かった。キャラの掛け合いっぷりは、文句なしでツボですね。ストーリィ展開は、時折微妙なところがあったんだけど、さりげないエピソードとかが素敵に補ってくれたりして、読んでて楽しかったです。
先輩の今後が気になるだけに、これで物語が終わりというのは残念ですが、次にまた、素敵な物語を届けてくれることを期待しましょう。
マテリアルゴースト 5 (5)
葵 せきな
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- 祝 完結! 帰宅部面々の掛け合いはもっと見ていたかったなあ 4巻の衝撃的な引きからどんな風に完結させるか期待半分不安半分だった本作。 蛍の喪失という...








