修学旅行の自由行動。月村さんと一緒に過ごすはずが、あれよあれよという間に、奥城いろりとふたりになってしまった二ノ宮くん。何とかしたいと思うものの、ひょっとしたら相手はサキュパスかもしれないし、何より弱みもある。相手の真意がわからないまま、振り回されて……
一方、奥城いろりの兄、たすくと二人で京都を回ることになってしまった月村真由は、二ノ宮峻護が目の前から連れ去れらたことにショックを受けていて……
前作の続き。『神精』に深くかかわると言われている真由と峻護が、奥城兄妹の策によって二手に分けられて、それぞれ篭絡させられそうになるお話です。
何ていうか、峻護の情けなさが見えるお話でしたね。弱みがあるのはわかりますが、真由の姿を見ても、手を取れないあたり、何だかなあと思わないでもない。まあ、ここはうまく誘導して絡めていったいろりを褒めるべきでしょうけど。峻護に対してのからかいの言葉や積極的な態度は、自分の魅力を存分に知ってるであろう女の魔性っぷりが見れましたね。これが、何ともかわいくて。
さすがの麗華も攻めきれない口達者っぷりも相まって、惚れ惚れしちゃいました。
一方のたすくは大変だったなあ。真由が茫然自失してるおかげで、あの手この手がうまくいかないんですから。勝手に買いかぶって、神経をすり減らしていくところは、思わず頬が緩んでしまう面白さでした。
なりふりかまわぬ姿には、時に痛いものを感じましたが、家柄に縛られている家系では、こういう必死さも必要になってしまうんだろうなあ。自分の心を偽ることに慣れてしまったせいで、本当の自分の心に気づかないところには、切ないものを感じました。
でも、最後はちょっといい感じにまとまって、よかったですね。
今回、真由はあまりいいことがなかったので、可哀想だったなあ。それを言ったら、麗華もそうですけど。考えてみると、三角関係にはまるで進展がなかったんですよね。このあたりは、ちょっと物足りないかな。もっとラブコメを!と思う僕でありました。
『神精』のきっかけという意味では、真由だけじゃないだろうし、もうひとりの麗華の言葉も気になるし、何より最後に出てきた連中の正体が気になります。次なる「ヨーロッパ編」が楽しみ。
ご愁傷さま二ノ宮くん 7 (7)
鈴木 大輔
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