DDとカイムの戦いで一人の人間が「堕ち」た。凶暴化する相手に、梓は囚われそうになったが、「あいつ」がきてくれるなら、時間を稼げれば何とかなる。だが、このときの戦闘によって、景の体の状態が危険極まりないことに、梓は気づいてしまった。何とか彼の力になりたいと思う梓だが、DDやセルネットは、ウィザードの正体を知り、刻一刻と、包囲網を作り上げて……
「カプセル」と呼ばれるドラッグを使って、悪魔を召喚した高校生たちの戦いの第二弾です。前作でものすごくいい場面で終わってくれたおかげで、はじめから、それこそ一行目からヒートアップさせられました。ウィザードと甲斐の戦いは、恨み辛みを超えた純粋な戦いって感じですね。
それに比べると、カイムの戦闘というのは、力のすごさはわかるけれど、見るものに鮮烈さを与えないという感じがしました。たぶん、本来であれば、カイムとの戦闘が二巻のクライマックスなんでしょうけれど、新装版となる本作では戦いの一部的な感じになってしまったので、盛り上がってるのに、こう、何ていうか、不完全燃焼な感じがしました。う~ん、ちょっともったいない気分。
危険を乗り越えたことで、景と梓の関係がちょっと変わってきましたね。景とのやり取りから、自分でも何かできるのではないかと、動き始める梓の気持ちはわかりますが、それが段々と暴走気味になっていくところが、何とも不安を引き立ててくれてドキドキです。このふたりは気持ちは十分なのに、話し合いが足りないんですよね。ああ、もう。
それにしても、恐ろしきは、トップクラスの連中の実力ですね。セルネットの第二世代ぐらいならまだしも、個人的には、策士としてはかなり上位に位置すると思っていた茜まであっさり手玉に取ってくれるとは……策士が策にやられていくさまは、恐ろしくも興奮してしまいました。なるほど、これがウィザードですか。
相性で言ったらDDの甲斐なんて、まったく合わない気がしますが、逆にこういう相手だからこそ、力自慢なら挑戦したくなるのかもしれませんね。戦闘狂って感じな甲斐くんでしたが、何気にいい味出してて、個人的に大好き。茜といい甲斐といい、僕の好きな人は微妙な位置にいるのが、何とももどかしいなあ。
最後の戦闘は圧巻でしたが、そこで判明した事実のほうが驚きでした。歪んでる……。でもそうなると彼女はどういう意味合いがあるんだろう。う~ん、よくわからん。
普通のことなら頼りになる千絵も、さすがにこの事態にはついていけないところがあるだろうし、水原もちょっと心が弱ってるみたいだし、梓に至っては……ですからねぇ。一区切りついたとはいえ、どうなっていくのか続きがとても気になりますね。
Dクラッカーズ 2 (2)
あざの 耕平
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