蛍の目の前に、メイド姿をした神無深螺が突然現れた。どうやら夢を強制的にリンクさせて登場したらしい。いったい何かと思ったら、散々迷惑をかけてきた式見蛍に、恩返しをすべきだ。相手が男なら、萌えさせろ、萌やしつくしてしまえ。という父の言葉を真に受けて、蛍を萌えさせるべくメイド姿をしているのだとか。
さらに、ユウ、さん、先輩、鈴音を引きずり込んできて、誰が一番、蛍を萌えさせることができるかという勝負が始まって……
という「夢見る少女じゃ、結構いられる」を含む六編からなる短編集です。いやあ、面白い。この人の笑いのセンスは、ほんといいですね。爆笑ではなくて、ニヤニヤ笑いがとまらないんですよね。蛍が一番のツンデレだったことが、ありありと伝わってきます。
初めの三編は、学校の七不思議を追うことになったり、蛍が風邪で寝込んでるときの騒動だったり、幽霊屋敷へ探検に行ったりと、ユウに振り回される蛍という、いつもの二人の日常的なお話でした。いつもどおりで、ちょっと物足りないものがありましたが、笑いだけじゃなく、最後にしんみりさせてくれるところは良かったです。
残りの三編のうち二編は、鈴音と蛍の出会い、紗鳥先輩と蛍の出会いという出会い系(別の意味に思える言葉だなあ)のお話でした。
自信を持てず、引っ込み事案だった鈴音が、名前も知らなかった蛍とケンカしてしまって、でも言い合えたことからわかることもあって、蛍の優しさを感じて、という展開は、ああ、いいなあと思えます。鈴音からしたら、まさに人生を変える出会いだったんですね。
紗鳥先輩と蛍の出会いもまさに同じで、心で思っていることとは裏腹に、表ではおしとやかにしていた紗鳥が、蛍と出会ったことで、肩の力を抜いていくという展開は、とてもよかったです。まあ、蛍をやり込める快感を覚えてしまったからなんですが、くつろげる相手がいるというのは、大切なんだということが伝わってきました。
そして最後があらすじにも書いた蛍を萌えさせる話。これは素晴らしすぎでした。なぜ萌えさせるんだという話はおいといて、誰が一番、蛍を萌えさせることができるかという勝負の面白さったらないです。クールに決めていた蛍が、先輩、ユウ、妹、クラスメイト、クラスメイトの姉の仕掛けに、ドギマギしまくるんですからね!
特に一番手の先輩の仕掛け。最高でした。あざとかろうが、計算尽くしだろうが、僕なら文句なしで、優勝者は先輩を選びます。はい。
意外な一面にやられたり、まさかの行動に唖然としたりと、皆が皆、蛍のツボをつくところは、楽しかったです。
さて、次は本編の最終巻ですね。前作の終わりが終わりなだけに、どういう展開が待ち受けているのか楽しみです。
マテリアルゴースト 0
葵 せきな
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- 読了。 雑誌掲載の短編3編+書き下ろしの短編3編の計6編を収録。帰宅部メンバーと蛍の出会いのエピソードが描かれているのが嬉しい短編集です。 雑誌掲載の短編...








