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[風見周] 殺×愛 6 ― きるらぶ SIX ―

あれから、サクヤの行方がわからない。街を出て行ったのか、回収されたのか。来夏と交際を始めたからといって、気にならないわけじゃない。彼女を傷つけたのは僕のせいだから、これは義務なんだ。そう言い聞かせている自分に気づいてしまった。
来夏と過ごした夏の日々はとても穏やかで幸せだった。そんな彼女と交際を始める事ができたのに、なんで僕はサクヤのことを気にしてしまうんだろう……。

来夏と交際を始めたものの、サクヤとの間で気持ちが揺れる密のお話でしたが、これほど心が痛くなるとは思いませんでした。世界の崩壊という言葉がぴったりです。普通の人にとっての世界って、周囲の人たちとの関係ですよね。

家を失い、家族を失い、友人を失った来夏を守ってあげなければという気持ちはわかりますが、その優しさが逆に相手を追い詰めていくところが、何とも痛いですね。オメガであることを知ってしまったことよりも、その体が持つ意味を知ってしまったことが、来夏にとって辛いことだったんじゃないかと思います。
密への思いから、サクヤへの態度を露わにする来夏の必死さには、イラつくものがあるんですが、いろいろ想像できるだけに心苦しくなるものもありました。

一方のサクヤは、ついに自分の気持ちをはっきりさせてくれましたね。真っ直ぐな彼女の真っ直ぐな言葉は、それだけで心動かされるものがありましたが、時はすでに遅し。来夏を守るという密の行動に、傷つく姿が見てられません。密だって、歯車がズレていることは気づいているだろうに……。
手を取り合うことを許されないふたりが、最後のデートをするシーンは、楽しさが伝わってくるだけに、涙ものでした。

それにしても、自分の気持ちが判ってしまうことと、相手の気持ちがわかってしまうことと、どちらのほうが辛いんだろう。
好きな人だと思っていたのに、唇を噛まれたら治ってしまう。
違う人が好きなはずなのに、傷つけられたら傷が残ってしまう。
恋をした相手だけが傷つけられる体の存在が、これほどまでに残酷だとは思いませんでした。
最後の最後で、光の粒を見た彼女の気持ちを考えただけで、苦しい思いでいっぱいです。

絶望に襲われたオメガに、一抹の光として見える対天使兵器ですが、さすがにそんなに都合よく行ったりしないよなあ。アダムの思惑が何とはなし見えてきましたが、まだ何かやったりするのかしら。
密はどうでもいいけど、サクヤには、幸せを掴んでほしいと切に願いたくなります。

殺×愛6-きるらぶSIX - 風見 周

殺×愛6-きるらぶSIX
風見 周

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