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[川人忠明] ダークエルフの口づけⅡ ソード・ワールド・ノベル

ベラが保安主任を務める夜会にララサベル公爵公女のクララが訪れた。ちょっとした騒動から、すっかりベラを気に入ったクララは、妹のエビータ、友人のラミアと共に遊行する際の護衛として、ベラを借り受けたいと言い出した。
伯爵の影響力を考慮すると、おいそれと断ることはできないため、ベラは、アマデオのみを伴って、遊行へと同伴したが……

公爵公女の遊行なんていうと、華々しい印象ですが、とんでもないですね。敵か味方かなんて、そんな単純なものじゃなく、昨日までの敵が、今日は味方だけど、上品に笑いあいながら、裏では探り合いをしている。そんなやりとりにゾクゾクさせられるお話でした。
話としては全然違うんですが、雰囲気としては「抗いし者たちの系譜」みたいな魅力がありますね。

それにしても、罠のために遊行するという公爵公女の曲者っぷりがたまらないなあ。さりげない会話や行動、すべてに意味があり、自分の価値もきちっと計って罠を張る姿は、普段の雰囲気からはまるで感じられませんね。美しく上品であるには、あらゆる相手を退けなければならないということでしょうか。笑顔のまま、手を下すような恐ろしさにドキドキです。

まあ、それ以上に怪しさを持つのはラミアですけど。手を組んではいるものの、いつ寝首をかかれるかわからないという緊張感あふれるベラとの会話は、前作同様面白いです。何を考えているのかわからないベラですが、暗躍することにかけては、負けてませんね。

誰もが嘘を、いや、本当のことを言わないというやり取りは、誰が誰をだましているかわからないところがあるだけに、エビータ姫の真っ直ぐさが眩しいですね。苦労を知らないために、今回のことでいろいろ考えることがあったかもしれませんが、それでも優しさを忘れてほしくないですね。
アマデオとの関係もなかなかニヤニヤさせてくれて、ちょっと嬉しいですが、ひょっとしたら……、いや、そんなことはないか。ないと信じたい。

そのアマデオの過去話は、幼いころから一直線なところは変わらないんだなあ、と思えるものでしたが、共に過ごした人なら、惹かれるものがあるのはわかりますね。相手の恋心を考えると、切ないものがあります。
それでもアマデオは今の道を選んだわけですが、尊敬するベラに対して、初めて持った感情を、これからどう抱えていくのか気になるところですね。安易に逃げたりせず、きっちりと向き合って答えを出してほしいです。

今回はベラ側の話があまりありませんでしたが、ちらっと過去の亡霊がでてきましたね。このあたりについてはいつ語られるのかわかりませんが、お気に入りであろうアマデオとのこともあるし、続きがどうなるのかとても楽しみ。

ダークエルフの口づけ (2) - 川人 忠明

ダークエルフの口づけ (2)
川人 忠明

富士見書房(文庫)
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Comment:2

ジャラル 2007-02-25 (日) 14:28

通常のゲーム(原作はTRPG)では悪役とされるダークエルフがヒロインとして活躍するシリーズの第二作です。このキャラが出てきたのはソード・ワールド短編集 「へっぽこ冒険者と緑の蔭」内 「〈黄金の車輪〉--ファンドリアの闇が呑み込む」からで、冒険者としてのベラの冒険が描かれています(イラストも同じ)。未読の方は一読をお勧めします。

deltazulu 2007-02-27 (火) 19:48

短編があるとは知りませんでした。これは楽しみですね。読んでみたいと思います。積本が多くていつになるかわからないですけど……
情報ありがとうございました。

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