オーストリアの首都であるミリオポリスでは、凶悪犯罪やテロが多発しているをうけ、肉体に障害のある児童に機械の体を与え、治安の維持にあたらせた。通称特甲を手にした MSS邀撃小隊「炎の妖精」の小隊長を勤める鳳を筆頭に、乙と雛は、犯罪者を追うため、今日も空を翔けめぐり……
虫の羽をモデルにした特甲の燐晶羽により、空を翔けてテロリストたちと戦う妖精隊の物語です。前後編を含む 6編からなる短編集ですが、毎回同じパターンで始まるのに、毎回ニヤリとさせられてしまいますね。
優しく人を包む紫火の鳳(アゲハ)、猪突猛進な青火の乙(ツバメ)、怯える爆弾魔・黄火の雛(ヒビナ)の三人が、空を翔け巡る戦いは、スピード感がありますね。何とはなしにカルト・カールを連想させる口癖にニヤリとさせられつつ、一気読みです。毎回提示される扉のクイズが、物語に深い関係を持つところなんて、うまいですよね。
それぞれが機械の体を得る原因となった話は、暗いものがありますが、それほど深くは突っ込んでないので、鬱屈するものは感じても、壊れた印象はそれほど受けないので、比較的さらりと読めますね。
隊長である鳳の包み込むような、心に染みこんでくるような優しさは、とても素敵で、近くにいたら惚れてしまうよなあ。アドバイザーとして、彼女の近くにいる少年の気持ちが良くわかります。
隊としての話だけでなく、それをサポートする人たちとの「チーム」としての話は、いろいろ人間関係が見えて面白いですね。
どの物語も面白かったですが、個人的にはトリを飾る「シティ・オブ・フェアリーテール」物語が絶品でした。
テロを裏で支えている相手を追うお話で、出会った子供たちとのやり取りに心が温まりましたが、奪われることに気づいた後の行動と祈りの言葉には、心臓を捕まれたかと思うほど痛みを感じさせられ、その場にいた人たちの思いが込められた銃声に涙。
鳳が機械の体を手に入れた後については、まだ何かしら話があるみたいなので、そのあたりが楽しみですが、個人的には、クールビューティーなお姉さま、ニナの過去物語もお願いしたいところです。
この作品が気に入った人は、角川スニーカーから同時発売されている同じ世界観の物語「オイレンシュピーゲル」もぜひ。
スプライトシュピーゲル 1 (1)
冲方 丁
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Comment:2
- レフ 2008-01-29 (火) 05:32
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文頭ですが、
オーストラリア ではなく
オーストリア では?
(このコメントは削除OKです) - deltazulu 2008-01-29 (火) 06:26
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あー、そうですオーストリアです。すみません。訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございます。





