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[あざの耕平] BLACK BLOOD BROTHERS S 3―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (3)

強くなりたい。コタローがそんなことを言い出したのは、テレビで戦隊ものを見たからからだ。そのことが判っているミミコだが、コタローの言葉に、ホンキで感動したジローは、彼を鍛えるべく、特訓を始めた。
それは、コタローにとって悪夢の始まりだった……

そんな「第一話 強い吸血鬼の育て方」から始まる七編からなる短編集です。時系列としては、本編の 3巻から5巻の間ぐらいですね。いや、もう軽快な会話の応酬に爆笑させられっぱなしで、顔がにやけるのを止める事ができませんでした。

ジローの特訓に泣きそうになるコタローな話の第一話や宝くじに当たって浮かれまくるミミコが痛すぎる「第二話 宝くじ狂想曲」も笑えますが、何と言っても面白かったのは「第五話 ある吸血鬼の僕」ですね。

カンパニーで働くミミコが、ゼルマンとの間にパイプを作ろうとして、僕であるサユカを食事に誘う話なんですが、物腰が優雅で知的な美女というサユカのスーパーウーマンっぷりがたまりません。自分と比較するミミコが可哀想になってきます。ジローもコタローも正直すぎ。

そんな完璧なサユカがとあることから乱れ始めて、ゼルマンへの思いを叫ぶ姿には爆笑させられました。一緒にいたミミコが、先ほどとは別の意味で可哀想になります。いやあ、もうサユカの魅力がたっぷりですね。ただいまのちゅーに萌えさせていただきました。

この短編の後にあるインターミッションでの策士っぷりにも笑えますが、この話を読んだ後に、目次の次のページにある白峯サユカ私的ノート「本日のゼルマンさま」を読むとニタニタできます。コタローの顔が塗りつぶされているところに芸の細かさを感じますね。
僕の中で白峯サユカは、BBB好感度ランキングでベスト3入りです。はい。

そのほかにも、毎月ジローへ上げているご褒美にまつわる騒動の「第六話 いつか来る、その日のために」に、のエロティックさとコミカルさと切なさを感じましたが、やはり短編集で忘れてはならないのは、過去、まだジローが転化してほどないころの話ですね。「失墜の摩天楼」はやはり別格です。カーサとジローの、まるで姉弟のようなやり取りを見ているとニヤリとさせられますが、その分、今のカーサに対しての感情が難しくなりますね。一枚上手な感は、今も昔も変わらないようです。

ちなみにお話は、1929年のアメリカが舞台です。と言えば何があるかは想像できますね。世界恐慌がこれほど身近に感じるとは思いませんでした。シリアスさがたまらなく渋いお話ですが、いろいろ示唆する内容なだけに、歴史的面白さもありますね。

いやあ、今回もたっぷり楽しませてもらいました。次の長編が待ち遠しいです。

BLACK BLOOD BROTHERS〈S3〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 - あざの 耕平

BLACK BLOOD BROTHERS〈S3〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集
あざの 耕平

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